開業前にしっかり集患対策をしたのに、いざ開業してみたら想像以上に患者さんが来なくて、本当に苦しい・・・
こんなお悩みをお持ちではないでしょうか?
私もクリニックを経営する身として、院長先生から経営の相談を受けることがあるのですが、こういった開業直後の集患に悩まれる方は多いです。
コンサルタントも雇ってきちんと集患対策もしたのになぜ??
お悩みの院長先生が口を揃えておっしゃるこの問いの答えが、何人もの院長先生の相談を受ける中で、ようやくわかりました。
それが本記事で紹介する、集患対策のたった1つのチェックポイントです。
【結論】集患対策のたった1つのチェックポイント
たった1つのチェックすべきポイントとは、患者さんが来ない原因が「認知不足」にあるのか、「訴求不足」あるのかということです。
- 認知不足:あなたのクリニックの存在を周辺住民がそもそも知らない
- 訴求不足:クリニックの存在は知っているけれど、行きたいとまでは思っていない
いかがでしょうか?
どちらも患者さんが来ない原因としてあり得ることですが、改善しようとしたらそれぞれ全く異なる対策が必要なのは、簡単に想像できますよね。
しかし、集患に失敗しているクリニックのほとんどがこの2つを意識せずに集患対策を行なっていました。
認知不足が原因なのに、
と対策しても、そもそもクリニックの存在が知られていないのですから、オンライン予約に患者さんが魅力を感じるはずがありません。
同じように訴求不足が原因なのに、
と対策しても、すでに患者さんはあなたのクリニックの存在を知った上で来院していないので効果は限定的です。
このように、原因が認知と訴求のどちらにあるのかを把握して、適切に対策することが大事です。
人の購買プロセス:AISAS(アイサス)
ここで少しマーケティングのお話をしましょう。
ヒトが何か購入またはサービスを受ける際、AISAS(アイサス)というプロセスによって行動すると言われています。
引用:MarkeTrunk
Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(購買)→ Share(情報共有)
先ほどの認知と訴求の話に当てはめると、
- Attention(注意)= 認知
- Interest(関心) = 訴求
となります。
開業したばかりのクリニックの多くはAttention(注意)またはInterest(関心)が不足しているケースが多いため、この部分の対策が必要です。
Attention不足の場合はまずは認知を拡大させ、それでもだめなら、さらに訴求の対策を立てましょう。
Interest不足の場合はいかに患者さんの関心を引けるかに注力します。
それぞれ具体的な方法をこれから紹介しますので参考にしてください。
もしAttention、Interestの部分は十分なのに患者さんが来ない、という場合は Search(検索)を強化してください。
>>ホームページのSEO対策
認知不足の場合の対策3選
まずは認知(=Attention)不足の場合に確認すべきポイントを3つご紹介します。
認知はすでに十分という方は次の章に飛んでください。
>>訴求不足の場合の対策3選
認知方法と地域の年齢層はマッチしているか?
認知拡大のための方法と、地域住民の年齢層がマッチしているかチェックしましょう。
例えばネット広告は近年非常に注目度の高い広告ですが、効果があるのはまだまだ若者が中心で高齢の方へのアプローチには不向きです。
逆に若者が多い地域では、地域誌や看板に広告料を費やしても効果は限定的です。彼らの情報源はインターネットであり、地域誌などは読まない人の方が多いくらいです。
このように周辺住民の年齢層と比較して、今の広告がアンマッチの場合は即修正しましょう。
【注意】診療圏調査の結果だけに頼らない
開業にあたって診療圏調査は実施したと思いますが、調査を開業コンサルタントに丸投げした場合はそのデータを鵜呑みにしてはいけません。
彼らは「開業させること」が目的のため、私たちにとって良い情報しか流していない場合があります。
自分の足で役場へ行き、住民のデータを見てください。コンサルタントからもらったデータとは異なる事実が見えてくることもあるでしょう。
広告への出資が中途半端ではないか?
2つ目に、広告が中途半端で効果が出ていない可能性を疑いましょう。
開業したては収入も少ないし、ついつい広告料も抑え気味になってしまいます。
しかしその広告、本当に人の目に留まっているでしょうか?
広告料を減らせば広告枠は当然小さくなります。その大きさで本当に人の目に入り込んでくるか、実際に自分の目で確かめてみてください。
もし目に入り込んで来ないのであれば、その広告に意味はありません。お金の無駄ですので、無くした方がマシなくらいです。
複数の媒体に広告を出している場合は、1つに集中して大きな枠にするのも手です。
近隣住民へのあいさつ、交流は十分か?
最後に近隣の方々との交流が十分にできているか振り返ってみましょう。
開業の忙しさのあまりおろそかにしてしまいがちですが、住民との交流は非常に重要です。
うわさ話を広げてもらうには、開院するあなたという存在を住民の共通認識にすること。
これ、住民との交流が大切だという理由です。
あなたがクリニックを開業することを、「あなたをよく知っている住民たち」が知れば、大いに話は盛り上がり、ウワサはたちどころに広がっていきます。
しかし、どこの誰が開くかもわからない場合だったらどうでしょう。
「新しくクリニックができるらしいよ」
「誰がやるんだろう?」
「さあ〜どんな人なんだろうね・・・・」
どうでしょう。話が盛り上がることはなさそうですよね。
それどころか言われもないウワサが飛び交い、敬遠されてしまう場合もあります。
ママ友やPTAは交流のチャンス!
こういう私も実は、開業当初は住民との交流がここまで重要だとは認識していませんでした。
ただ私の場合は幸い2人の小学生の子供がいたため、ママ友やPTAといったコミュニティで自然と交流ができていたのです。
そして開業してまもなく、ママ友からこんな一言を言われました。
私は大変感激したと同時に、この時初めて住民の方々との交流の大切さを痛感しました。
この時まで私は、患者さんの信頼を得るのは「クリニックに来てもらってから」だと思っていたのですが、それは間違いでした。
先に「普段の生活で住民の信頼を得たから」クリニックにも来てもらえるのです。
訴求不足の場合の対策3選
続いては訴求(=Interest)不足の場合にチェックすべきポイントを、3つご紹介します。
その差別化で患者さんはクリニックを変えますか?
まず第1に、自院の強みについて考えてみましょう。
あなたのクリニックにも他のクリニックと差別化できる強みがあると思いますが、
『それは患者さんにとって、今までのかかりつけ医を変えるほどの訴求力があるか?』
と問われたらどうでしょうか?
地域に同じ診療科の競合がいる場合、新規開業のクリニックは患者さんが今までのかかりつけ医を変えるための強い動機が必要なのです。
自分がかかりつけ医を変えるとしたらどんな場合だろう?と患者さん視点で厳しく考えてみましょう。
その広告で患者さんはクリニックを変えるか?
今度は、前項で考えた差別化ポイントが今の広告で本当に伝わるか見直しましょう。
魅力的な強みがあっても患者さんに気づいてもらわなければ来院につながりません。
自分たちの伝えたいことがその広告からきちんと伝わるでしょうか?
広告には第三者の客観的な意見をもらおう
私の場合は客観的な反応を知るために、親戚や友人に自院の広告をみてもらい、どんな印象を持ったかヒアリングしました。
すると閲覧者の印象が、私たちの狙いとは全くかけ離れていて驚愕しました。
このように広告は、客観的視点を持っている第三者に見てもらうことが大切です。
気軽に来院できる雰囲気か?
3つ目に、クリニックの外観は気軽に来院できる雰囲気作りができているか確認しましょう。
誰でも初めて行く場所や行ったことのない場所に行くのは勇気が要りますよね。
もしそんな新しく行く場所が暗く、入りづらい雰囲気だったらどうでしょう?
こんなふうに思ってしまう人もいるのではないでしょうか。
と思うかもしれませんが、新規開業のクリニックは一般的なクリニックと比較してはいけません。全ての患者さんが初めての来院なのですから。
患者さんのクチコミが一番の広告!
来院された患者さんには誠心誠意対応し、必ず満足してお帰りいただくよう努めてください。
というのも、患者さんのクチコミが実は1番の広告になるからです。
人はどんな広告よりも身近な人のクチコミを信用することが、心理学の面から証明されています。
来院された患者さんが、あなたのクリニックを家族や友人に話したくなるくらいに満足してもらいましょう。
患者さんを第一に考えると結果はついてくる
良いクチコミを増やすには、患者さんを第一に考えることです。
例えばですが、私のクリニックでは休診日でも、不安を抱える患者さんがいれば診察しています。
この休日診療は、患者さんの不安をすぐにでも解消したいという思いから始めたものですが、結果的に私たちに大きな恩恵をもたらしてくれました。
既存の患者さんから多大な信頼を頂いたことでクチコミが増え、新規の患者さんも増えるようになったからです。
開業直後は来院数などの数字についつい目がいってしまいますが、目の前の患者さんに満足して帰っていただくことも非常に大切です。
ひとつひとつ、信頼を積み重ねて行けば絶対に成功できます。一緒にがんばりましょう。