- クリニックの患者さんを増やしたい
- でも、何から手をつけていいかわからない、、、
このような悩みをお持ちでしたら、本記事が役に立ちます
昨今の日本では
- 人口減少
- 新型コロナウイルスの流行による外出控え
などにより院長・事務長は将来を不安に感じることも多いと思います。
そこで当ブログでは、人口減少・ウィズコロナ時代のクリニック集患戦略をお伝えしていきます。
まず結論ですが、今後のクリニック経営では「オンライン」が以前にも増して重要です。
私のクリニックではコロナ流行前からオンラインによる増患・増収体制を構築していたため、コロナの影響をほとんど受けておりません。
2020年の初回の緊急事態宣言の際、1ヶ月だけ収益が20%落ち込んだだけで、その後はコロナ前の水準もしくはそれ以上となっています。
そのため、このサイトでお伝えする手法はかなり実効性のあるものと思います。
数年間の試行錯誤の末に確立した当院のオンライン戦略のノウハウを「オンライン4つの柱」として具体的に解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
はじめに:クリニックの収益を上げる3つの方法
まず、クリニックの収入を増やすにはどんな方法があるか考えてみましょう。
増収方法はざっくり分けると、下記の3つに集約されます。
- 患者さんの数を増やす
- 患者さんの単価を増やす
- リピート・再訪頻度を増やす
増収というと、1のように患者さんの数を増やすことが第一に考えられてきましたが、今後は「2.患者さん単価」「3.リピート増」にも重きをおいた経営戦略が必要です。
なぜなら、冒頭でも触れたように日本は人口減少により患者さんの総数は減少し続けるからです。
内閣府のデータによれば、日本の人口は右肩下がりで減少し、2048年には1億人を割り込むと予想されています。
出典:内閣府「将来推計人口でみる50年後の日本」
当院のオンライン戦略はこの人口減少を見据えた戦略になっていますので、今後も有効な手法となるはずです。
【概要編】オンライン戦略の4つの柱
当サイトが提唱するクリニック増収のオンライン戦略は、次の4つの柱から成り立ちます。
- Google攻略:
インターネット上から見込みの患者さんをオフィシャルサイトに呼び込む - オフィシャルサイトの洗練:
サイトの訪問者を実際の来院に誘導する - SNS活用:
アフターケアによる再訪の喚起 - オンライン診療構築:
来院ハードルの低減
4つの柱ではインターネット上で患者さんが
自院のサイトを見つける→実施に来院→かかりつけ医とする
までの全ての流れをフォローします(下図参照)。
図:4つの柱と患者さんの行動
「オンライン戦略」と一言で表すと、自院のサイトをネット検索の上位にさせるための戦略(SEO)と捉えがちですが、それだけではありません。
- ネット検索からの訪問者をいかに実際の来院につなげるか
- 1度来院いただいた患者さんにいかにリピートいただくか
といった視点も考慮し、クリニック全体の収益体制を構築するのが『オンライン戦略4つの柱』です。
4つの柱と収益性の関係
オンライン集患戦略4つ柱は、クリニックの収益を上げる下記の3要素にどのように影響するか考えてみましょう。
- 患者さんの数を増やす
- 患者さんの単価を増やす
- リピート・再訪頻度を増やす
3つの要素の関係性をまとめると、下の表のようになります。
表:4つの柱と増収戦略の関係性
患者さんを増やす | 単価を増やす | 再訪を増やす | |
Google攻略 | ◎ | △ | △ |
オフィシャルサイトの洗練 | ◎ | ◯ | △ |
SNS 活用 | △ | △ | ◎ |
オンライン診療構築 | ◯ | ◎ | ◎ |
表の通り、4つの柱にはそれぞれ得意分野があることがわかります。
そのため、どれか1つを突き詰めるより4つの柱それぞれを平均的に改善していくことが成功へのカギとなるでしょう。
それでは次の章から、4つの柱についてより具体的に解説していきます。
柱1.Google攻略
Google攻略の目的は、『インターネットで検索する人をいかに自院のオフィシャルサイトに呼び込むか』です。
調べ物をする時に真っ先に行うのがインターネット検索でしょう。
自院のサイトを検索結果の上位に表示できれば、多くの潜在患者さんに自院を知ってもらえます。
なぜGoogleなのか?:検索エンジンのシェアが99%
インターネットでは検索窓に調べたいワードを入力すると、知りたいことが説明されたサイトが一覧表示されます。
このように、検索されたワードに対して適切なサイトを表示させるシステムを「検索エンジン」と言い、日本では実に99%のシェアをGoogleが握っています。
下の図は2021年3月〜2022年3月の日本のスマホ検索エンジンのシェアです。
引用元: Desktop Search Engine Market Share Japan | StatCounter Global Stats
Googleがシェア70%後半とダントツで、Yahooが2割ほど。それ以外のエンジンは全て合わせても1%以下であり、GoogleとYhooで99%以上のシェアを握っています。
ここで着目したいのが、実はYahooの検索エンジンはGoogleのものを借用しているということ。つまり、実質的にGoogleが99%以上のシェアを占めているのです。
このことから「インターネットを攻略する」=「Googleを攻略する」であることがわかっていただけたと思います。
Google攻略はSEOのみにあらず
Google攻略・検索エンジン攻略というと、
『SEO(Search Engine Optimization)=検索エンジン最適化』
を思い浮かべる人も多いでしょう。
もちろんそれは正解ですが、Google攻略はSEOだけにとどまりません。
Googleは検索ワードに対して
- 検索者の周囲の関連施設を表示する「MEO」
- 検索対象の概要を簡単に表示する「ナレッジパネル」
といった機能もあるためです。
SEOだけでなく上記のGoogleの検索機能の全てに対応することで、自院のサイトにより多くの見込み患者さんを呼び込みましょう。
Google攻略について詳しくは、『増患につながるGoogle攻略とは?』でご説明します。
柱2.オフィシャルサイトの洗練
オフィシャルサイトの目的は主に次の2つです。
- Googleからの流入者を実際の来院につなげる
- SEOに貢献する
1つずつ説明します。
Googleからの流入者を実際の来院につなげる
Google検索から検索者を自院のオフィシャルサイトに導いた次は、実際にクリニックの来院につなげなければなりません。
その役割を担うのがオフィシャルサイトです。
とお思いでしたら、あなたのサイトは大いに伸びしろがあります。
なぜなら、Webサイトの直帰率は40%(閲覧者が何もせずに立ち去る率)もあるからです。
ネットの閲覧者はあなたの想像よりはるかにサイトを読みません。
サイトに予約方法を用意しても、訪問者がそれを瞬時に見つけられなければ、すぐに他の医院のサイトに行ってしまいます。
そのため、患者さんが求めている情報をあらかじめ理解し、瞬時に見つけてもらえる場所に配置するなどのサイトデザインをしなければなりません。
SEOに貢献する
オフィシャルサイトの洗練は、SEOの強化と密接に関わっています。
なぜなら、Googleが検索上位に表示したいのは「検索者にとって価値あるサイト」だからです。
検索で表示されたクリニックのサイトが貧相で、とても行きたいと思えるようなものでなかった場合、Googleは検索者からの信頼を失ってしまいます。
そのためGoogleは全てのWebサイトをAIを使って24時間精査し、高品質で洗練された、検索者に価値あるサイトを検索結果の上位に表示させるのです。
オフィシャルサイトの洗練方法については『オフィシャルサイトの洗練方法【来院につながる効果的なサイトとは?】』
柱3.SNS活用
SNSの目的は「既存患者さんのリピート喚起」です。
既存患者さんに定期検診のお知らせを送ったり、早期診療を推奨することにより再訪率を上げ、来院の頻度を高めることもできます。
Google攻略では「検索する」という潜在患者さんのアクションがなければ集患できませんが、SNSはクリニック側からアクションを起こせる大変重要なツールです。
SNSは各サービスにそれぞれ特徴があるので、長所を活かした使い方が重要です。
私のクリニックでは次のように使用しています。
LINE
【目的】
- 緊急時の連絡
- 新着情報のお知らせ
【患者さんのメリット】
- ヘルスリテラシーの向上
- 急な受付変更のお知らせ
- 診察に空きがある場合の連絡
LINEについての戦略は『LINEの活用方法と公式アカウントの立ち上げ方』をご覧ください。
SNSで大切なのは、「患者さんのメリット」をPRすること。これがないと用意しても登録者は増えません。
【目的】
医療情報の提供、季節性の記事
【患者さんのメリット】
ヘルスリテラシーの向上
Facebookの詳細戦略は「Facebookで患者さん教育!強固な繋がりを作るポイント」をご覧ください。
柱4.オンライン診療構築
オンライン診療の主目的は、来院のハードルを下げることです。
例えば次のように、リアルでの来院にはさまざまな障壁があります。
- 診療時間と仕事の休みの時間が合わない
- 来院までの距離が遠い
- 感染症対策による外出控え
これらの障壁は、オンライン診療によって解決できることもあります。
来院のハードルが下がれば患者さんは治療を受けやすくなるので、通院や治療の継続率が高まるからです。
オンライン診療は受付・会計などをシステム化しているので、診察から処方までの流れはスムーズです。
ただし、診療科やサービス内容によってはオンライン診療により逆に収益減となる場合もあるので、注意が必要です。
オンライン診療を導入すべきケース/すべきでないケースについてはこちらの記事をご覧下さい。
>>【重要】オンライン診療の導入前に知っておきたいメリット/デメリット
また、オンライン診療は厚生労働省の指針に基づいた実施が必要になりますので、指針をよく理解した上での導入・運用が大切です。
オンライン診療システムの導入・運用については『クリニックのオンライン診療戦略:システムの導入・運用方法』で解説していきます。
まとめ:オンライン戦略は4つの柱の相互作用が重要
本記事ではクリニックにおけるオンライン増患・増収戦略として4つの柱を紹介しました。
これら4つの柱は相互に関係し合っているので、どれかひとつが機能しないと効果を最大限に発揮しません。
<4つの柱の詳細記事はこちら>
- Google攻略『クリニック集患に効果的な「Google攻略」とは?SEO対策だけでは不十分な理由』
- オフィシャルサイト洗練『オフィシャルサイトの洗練方法【来院につながる効果的なサイトとは?】』
- SNS
『LINEの活用方法と公式アカウントの立ち上げ方』
『Facebookで患者さん教育!強固な繋がりを作るポイント』 - オンライン診療『クリニックのオンライン診療戦略:システムの導入・運用方法』