クリニックの認知度を高め、新しい患者さんを獲得し続けることに課題を感じていませんか?
とりわけ近年ではオンラインを活用した広報・集患施策に注目が集まっています。その中で、クリニックがやるべき施策を一つあげるとすれば「MEO対策」は必ず取り組むべきです。
本記事では、クリニックのMEO対策について、基本から実際の活用方法まで詳しく解説します。これからMEO対策に取り組もうと考えている方はぜひ参考にしてください。
MEO対策とは
MEOとは「Map Engine Optimization」の略で、日本語で「マップエンジン最適化」を指します。すなわち、Googleマップなどの地図検索サービスの検索結果で、特定のビジネスや施設を上位に表示させるための施策のことです。
例えば、あなたが初めて訪れた土地でカフェに行きたいと考えたとき、スマートフォンで「近くのカフェ」「カフェ おしゃれ」「カフェ 禁煙」と検索したことはありませんか?検索したキーワードによって、最適な情報が一覧で表示されます。上位に表示された店舗はおのずと目に留まるため、来店する可能性が高まります。
このように、特定のキーワードやジャンルの検索結果で上位を目指すのがMEO対策です。MEO対策は、特に地域密着型のビジネスや施設に有効であり、とりわけクリニックの場合は地域にお住まいの方に対してクリニックの存在を効果的にアピールできるため、来院の促進につながります。
MEO対策とローカルSEOの違い
MEO対策とローカルSEOはしばしば混同されますが、厳密には異なります。ローカルSEOは、検索エンジンの結果ページにおいて、地域に関連するキーワードでビジネスが上位に表示されるように最適化することを指します。
一方、MEO対策はGoogleマップなどの地図サービスに特化し、地図上でのビジネスの表示位置や情報の最適化に焦点を当てていることが特徴です。
- ローカルSEO:地域内での検索結果全体の最適化を目指す取り組み
- MEO:地図サービス上での可視性と情報の正確性を高める取り組み
Googleビジネスプロフィールとは
Googleビジネスプロフィールとは、ビジネスオーナーが自社のビジネス情報(クリニック・店舗など)をGoogleのサービス上で編集したり、管理したりするためのツールです。ビジネスプロフィールでは、ビジネスの基本情報(住所、連絡先)、営業時間、サービス内容を編集したり、写真を投稿したりすることができます。
ビジネスプロフィールの情報を正確に保ち、さらに魅力的な情報を発信することで、検索結果に表示されやすくなるほか、閲覧者が必要な情報を得られるようになります。こちらの画像のように、Googleでクリニック名を検索すると、右側に「ナレッジパネル」が表示されます。
地図アプリの重要性が年々高まっている
スマートフォンが普及し、誰もが気軽にインターネットを利用出来るようになったことで、地図アプリの重要性が年々高まっています。企業のマーケティング支援を手掛けるサイジニア株式会社が行った「病院・クリニック選びに関する調査」によると、病院やクリニックを探す際に地図アプリを利用する人の割合は17.3%にも上ることが明らかになりました。
特に、地図アプリではクリニックの公式サイトには掲載されていない口コミや施設の写真などの情報を得ることができるため、クリニック選びに大きく影響していると考えられます。
参考:「病院・クリニック選び」に関するアンケート調査から見えた選び方の基準 | DOC WEB
MEO対策(ローカルSEO)のメリット
クリニックがMEO対策に取り組むことで様々なメリットが得られます。ここでは、主なメリットを3つ解説します。
マップ検索で上位表示される
MEO対策を行う最大のメリットは、Googleマップの検索結果において、自院のビジネスプロフィールが上位表示されることです。
例えば、「◯◯市 眼科」「近く 眼底検査」といったキーワードで検索した際に、自院の情報が1番目に表示されれば、問い合わせや来院予約につながりやすくなります。
SEOよりも上位表示される
MEO対策に取り組むことで、「ローカルパック」に表示されやすくなります。ローカルパックとは、地域名+業種などで検索した場合に、地図情報とともに検索画面の最上部に表示される検索結果です。
ローカルパックは、GoogleマップだけではなくGoogle検索にも表示されます。さらに、ローカルパックはSEO(オーガニック検索)よりも上に表示されるため、クリニックの認知や集患につながりやすくなります。
口コミへの返信もできる
Googleビジネスプロフィールでは、ユーザー(多くの場合は患者さん)がクリニックに対して星評価や口コミを投稿できます。評価の平均点が高く、好評価のコメントが多い場合、他のユーザーにも好印象を与え、来院につながる可能性が高まります。
一方、予期せぬ低評価や患者さんから指摘を受けることもあります。その場合でも、丁寧に返信し、反省の姿勢や改善への取り組みを伝えることが大切です。これにより、クリニックの信頼性と透明性が高まり、患者さんとの信頼関係を築くことが可能です。
MEO対策の注意点
MEO対策はクリニックの集患戦略に欠かせない手法ですが、いくつかの注意点もあります。ここでは、特に知っておくべき注意点を3つ解説します。
口コミは基本的に削除できない
Googleビジネスプロフィールにおける口コミは、基本的に削除できません。これは、口コミが公正かつ透明であることを保つためのGoogleの方針によるものです。そのため、クリニックとしては、口コミに対して適切に対応し、ポジティブなイメージを保つことが重要です。
ただし、個人を特定する誹謗中傷や差別的なコメントなど、Googleの規定に違反する内容の場合は、口コミ削除をリクエストすることで削除してもらえる可能性もあります。
参考:Google のビジネス プロフィールからクチコミを削除する(Googleビジネスプロフィールヘルプ)
Googleの規定に違反しないように注意する
Googleビジネスプロフィールの管理においては、Googleの規定に違反しないように注意しましょう。
これらの行為は、Googleからのペナルティを受ける原因となり、ビジネスプロフィールの機能制限や停止につながる可能性があるため注意しましょう。
参考:Google に掲載するローカル ビジネス情報のガイドライン(Googleビジネスプロフィールヘルプ)
Googleビジネスプロフィールの編集だけでは不十分
Googleビジネスプロフィールの編集は数あるMEO対策の一つです。ほかには次のような取り組みがあります。
- 公式サイトのSEO対策
- サイテーションの獲得(リンクなしの言及)
- オンページ(クリニック名、住所、電話番号)の量
- 口コミの数と質
なども重要な要素です。継続的に取り組むことで、MEO対策の効果が発揮されやすくなります。
Googleビジネスプロフィールの編集方法
ここからは、MEO対策で最も重要な施策である、Googleビジネスプロフィールの編集方法を詳しく解説します。
Googleビジネスプロフィールを作成する
Googleビジネスプロフィールの作成には、Googleアカウントが必要です。お持ちでない場合はGoogleアカウントを作成してください。
→Googleアカウントを作成する
1.Googleビジネスプロフィールのサイトで「今すぐ管理」をクリックする
→Googleビジネスプロフィールを管理する
2.ビジネス名、ビジネスカテゴリを入力する
※クリニック情報はGoogleによって自動的に作成されている場合があります。ビジネス名が既に存在する場合は、オーナー権限を取得してください。
3.必要情報を入力しGoogleビジネスプロフィールの作成を完了する
ビジネスプロフィールを編集する
ビジネスプロフィールの作成(オーナー権限を取得)すると、ビジネスプロフィールの編集が可能になります。具体的にできることは次のとおりです。
- 基本情報(診療時間、住所、連絡先、公式サイトURLなど)の追加・編集
- オンライン予約ページの追加
- クリニックの説明文の追加・編集
- 口コミの管理・返信
- Q&Aの管理
- メッセージ
- サービスの編集
- 写真の投稿
- 最新情報、イベント情報の投稿
- パフォーマンスの確認
- 広告掲載
概要文では、キーワードを意識した内容を記載することで検索結果に表示されやすくなります。また、施設の外観や内観、スタッフの写真などを投稿し、クリニックの魅力を伝えましょう。
さらに、動画やストリートビュー(360度画像)を投稿することで、クリニックの雰囲気をよりリアルに伝えることができます。
まとめ
本記事では、クリニックのMEO対策とその重要性について詳しく解説しました。MEO対策に取り組むことで、検索結果に表示されやすくなるため、地域の方々に対してクリニックの認知度が高まり、結果として新規の患者さんの獲得が期待できます。
オンラインが普及した現代において、MEO対策はクリニックの集患戦略に欠かせない施策ですので、ぜひ取り組んでいきましょう。