「クリニックの集患にオンライン広告に挑戦したいけど何から始めたらいいかわからない…」
「広告費をかけているのに患者さんが増えないのはなぜだろう…」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、オンライン広告の基本的な考え方と実践方法さえ理解すれば、クリニックの集患につなげることは十分可能です。
本記事では、眼科クリニックの事務長として19年のキャリアを持つ私が、以下のポイントを解説します。
- オンライン広告運用の基礎知識
- 広告運用の実践的な手順
- 運用時の注意点
- 広告代理店を活用するコツ
当院でも、オンライン広告を始めたばかりの頃は広告代理店任せでしたが、ノウハウを身につけたことで、自力で効果的な運用ができるようになりました。
あなたのクリニックでも、本記事の内容に沿って取り組めば成果につながると思いますので、ぜひ参考にしてください。
クリニックにオンライン広告が必要な理由とは?
オンライン広告(Web広告)は、クリニックにとって費用対効果の高い集患手段です。 クリニックの規模に関わらず、オンライン広告を上手く活用すれば認知度向上と新規患者獲得につながるでしょう。
そもそも、オンライン広告といっても、その種類は多岐に渡ります。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- アフィリエイト広告
- タイアップ広告
- 純広告
- SNS広告
その中で、クリニックにおすすめなのが「リスティング広告」です。リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果画面に表示される広告タイプを指します。 ユーザーが検索したキーワードに関連する広告が表示されるため、高い広告効果が期待できます。
例えば、検索エンジンで「東京都港区 皮膚科」で検索すると、東京都港区の皮膚科クリニックの広告が上位に表示されます。 このキーワードで検索するユーザーは、「港区にある皮膚科を探している」と想定されるため、高い確率で広告がクリックされ来院につながるのです。
またリスティング広告は、クリック課金制のためコストパフォーマンスに優れています。したがって、即効性のあるリスティング広告を中心に、他の広告を組み合わせると良いでしょう。
クリニックのオンライン広告運用の実践手順
オンライン広告の効果的な運用には一定の手順とノウハウが必要です。しかしながら、基本を理解すれば、誰でも運用できるようになります。
ここでは、クリニックにおけるオンライン広告運用の実践的な手順を解説しますので、参考にしてください。
広告運用の目的と予算を設定する
まずは、クリニックでオンライン広告を運用する目的を明確にしましょう。目的によって、運用すべき広告手法や目標値が変わるためです。主な目的としては、次の3つが挙げられます。
- 新規の患者さんの獲得
- クリニックの認知度向上
- 問い合わせ数の増加
目的を定めたら、次は広告予算を設定しましょう。 月々の獲得したい患者さん数と獲得単価を考慮して、必要な広告費用を算出するのが基本的です。
初めての運用では思うような結果が出ないことが多いため、 広告予算は固定せず、様子を見ながら調整していきます。
ペルソナの明確化
ペルソナとは、自社の理想を明確にした顧客像を指すマーケティング用語です。ペルソナ設定では、年齢、性別、居住地域、職業、家族構成、趣味・関心事などの属性を検討します。
クリニックの場合でも、ペルソナ(患者さん像)を具体的にイメージすることが求められます。こうした属性分析で、患者さんのニーズや悩み、行動特性が見えてきます。
ペルソナが明確になったら、そのペルソナに響くメッセージを考えましょう。 ペルソナの心に刺さるフレーズを広告で訴求することで患者さんを獲得できます。
広告媒体とキーワードの選定
ペルソナが定まったら、次は広告媒体の選定です。 クリニックに適した広告媒体としては、リスティング広告がおすすめです。
リスティング広告では、キーワード選定が重要です。 クリニックの強みやペルソナのニーズを意識し、地域名や施術名を組み合わせたキーワードを設定しましょう。
広告媒体の選定とともに、広告予算の配分も考えましょう。 費用対効果を見極めながら、媒体のウェイトを柔軟に調整していくことが大切です。
広告文とクリエイティブの作成
ペルソナ像を反映し、目的に即した魅力的な広告制作が成功の鍵を握ります。 広告文やクリエイティブの作成では、以下の点に留意しましょう。
- ターゲットの興味を引く見出し
- 悩みやニーズに寄り添うキャッチコピー
- クリニックの強みやメリットの訴求
- ビジュアル(画像デザイン)の訴求力
ターゲットの心をつかめるよう、説得力のあるクリエイティブを制作しましょう。
PDCAサイクルによる運用改善
オンライン広告は、一度設定したら終わりではありません。 運用開始後も、継続的な効果検証とブラッシュアップといったように、PDCA(計画・実行・検証・改善)を回すことが重要です。
PDCAを回す際は、広告の表示回数、クリック率、費用対効果、獲得患者数などの指標を参考にしましょう。 これらの数値を注視し、改善の糸口を見出すことが重要です。
また、PDCAサイクルを効率的に機能させるには、効果測定ツールの活用が不可欠です。 データに基づいた運用改善を行い、自院に最適な広告運用方法を導き出していくことが、オンライン広告成功の鍵を握ります。
クリニックのオンライン広告運用の注意点
オンライン広告は、クリニックの集患に大きく寄与する一方で、運用を誤ると無駄な出費になりかねません。 効果的な広告運用のためには、いくつかの重要な注意点を押さえておきましょう。
ここからは、クリニックがオンライン広告運用で特に留意すべき2つのポイントを解説します。
広告予算の管理を適切に行う
オンライン広告の効果的な運用には、広告予算の適切な管理が欠かせません。 予算が尽きれば広告は止まってしまうため、一定の資金を確保しつつ、予算配分のバランスを考える必要があります。
広告予算の管理では、以下の点に注意しましょう。
- 月間予算を設定し、超過しないよう管理する
- 媒体ごとに予算を配分し、費用対効果を見極める
- 獲得患者数などの目標値を設け、予算投下の指標とする
特にリスティング広告などは、運用次第では予算オーバーのリスクがあります。 1日の上限金額やキーワードごとの入札単価を設定するなど、きめ細かな管理が求められます。
予算をコントロールし、少ない経費で最大限の効果を狙うことが重要だと言えるでしょう。
医療広告ガイドラインを確認する
オンライン広告には、医療広告ガイドラインが適用されます。 ガイドライン違反は、広告掲載の拒否や罰則のリスクにつながります。
医療広告ガイドラインの主なポイントは、以下の通りです。
- 虚偽・誇大表現の禁止
- 比較広告の制限
- 患者体験談の制限
- ビフォーアフター写真の使用ルール
- 提供医療の内容や価格の明示
特に、症例写真の扱いには十分な注意が必要です。 加工の禁止やデメリット情報の明記など、ガイドラインに則った表現が求められます。
関連法規は専門家に相談するのもよいでしょう。 ガイドラインの主旨を理解し、分かりやすく誠実な広告を心がけてください。
広告代理店を活用する際のポイント
オンライン広告の運用には専門的な知識とスキルが求められるため、クリニック単独での取り組みは容易ではありません。そこで、広告代理店に運用を任せることで、効果的な広告展開を図ることができるでしょう。
ただし、漫然と代理店に丸投げするのではなく、クリニックに適した代理店選定と緊密な連携が大切です。ここからは、広告代理店を活用する際のポイント2つ解説します。
クリニック向け広告で実績がある代理店を選ぶ
代理店選定で最も重要なのが、クリニック向け広告の実績です。 医療広告には様々な規制があり、一般広告とは異なる専門性が求められます。
豊富な実績を持つ代理店なら、規制対応はもちろん、医療業界特有の事情を加味した広告展開が可能でしょう。 特に成果事例は重要です。 問い合わせ数や来院数など、具体的な成果で代理店の実力が見えてきます。
「自院と同じ診療科目で成果を出した事例があるか」など、具体的な事例を出してもらうと良いでしょう。
運用体制と定例会の有無を確認する
代理店との連携には、運用体制の確認が欠かせません。 双方の体制と、クリニック側の関与度合いを事前にすり合わせることが重要です。
運用体制の確認ポイントは以下の通りです。
- 代理店側の運用担当者の人数と役割
- 日々の運用タスクの内容と頻度
- クリニック側に求められる関与度合い
丸投げではなく、クリニック側も一定の関与が求められるはずです。 予算決定や広告文監修など、クリニックにしかできない役割を代理店と分担することで、運用はスムーズになります。
また、定期的な情報共有の場「定例会」の有無も大切なポイントです。 週次や月次で運用状況を振り返り、改善策を話し合う場を設けることで、PDCAサイクルを効果的に回せるでしょう。
まとめ
今回はオンライン広告の基本から、広告運用の実践的な手順、広告運用時の注意点までお伝えしました。オンライン広告は始めは難しく感じるかもしれませんが、専門知識がなくても実践の積み重ねでスキルアップできます。
開業当初は広告代理店任せだった私たちのクリニックも、少しずつ運用ノウハウを身につけることで、今や事務長自らがキーワード選定から入札単価の調整まで行えるようになりました。
オンライン広告運用を通じて、あなたのクリニックに新しい患者さんが訪れることを応援しています!