「クリニックをきれいにしても、またすぐに元の状態に戻ってしまう…」とお悩みではありませんか?
しかし、きれいな状態を保つ仕組みが整っていなければ、整理整頓しても元の状態に戻りやすくなってしまいます。
そこでこの記事では、きれいを保つ仕組みづくりの1つである「在庫発注」と「備品発注」についてご紹介。
発注管理の方法を整えることで、在庫や備品の過不足なく、すっきりと収納できます。
いつまでもきれいが続くクリニックを目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。
上手な発注管理できれいが続く
発注管理は「クリニックのきれいさ」に関係しています。
発注管理を適切にできていない状態では、発注する必要がないものまで余計に発注してしまいます。その結果、過剰なモノが収納スペースからあふれるからです。
発注管理は「在庫」と「備品」の発注を分けて管理することがポイントの一つ。
それでは、
- 在庫発注のポイント
- 備品発注のポイント
を順番にみてみましょう。
在庫発注のポイント
在庫発注を管理する際は「適正在庫」を把握しておきましょう。
「適正在庫」とは「欠品を出さず、かつ過剰になりすぎない最小限の在庫数」のこと。
しかし、適正在庫を把握していない場合、在庫に過不足が生じやすく、収納だけでなく業務にも支障が出ます。
たとえば過剰在庫を抱えると、収納できる保管量をオーバーするため、院内が散らかりやすくなります。
また、在庫の回転率の低下を引き起こし、キャッシュフローにも影響を及ぼすでしょう。
一方、在庫が不足すると治療を進められず、患者さんからの信頼を失い、利益損失にもつながりかねません。
その結果、すっきりと収納された状態を保ち、かつ利益の最大化につながるでしょう。
備品発注のポイント
備品とは「10万円以上20万円未満で耐用年数が1年以上のもの」を指します。
例えば、デスクや冷暖房器具、治療器具、パソコンなど。
備品は耐用年数が長いため在庫発注ほど発注頻度は高くありません。
そのため備品の発注は、備品の状態や業務の状況に応じて臨機応変に行いましょう。
備品はサイズが大きめかつ比較的高価なものであり、備品の発注ミスは、在庫の発注ミスよりも大きな悪影響を及ぼすからです。
よって「備品発注の際は相談してもらう」「責任者を立てる」などの仕組みを作り、状態や数量は適正かなど、日ごろからチェックしておくことが大切です。
発注管理4つのコツ
発注管理では、次の4つのコツを押さえましょう。
- 棚卸の間隔を短めに設定
- 担当者を決めておく
- 発注のルール化
- 発注者の意識を高める
コツを抑えて発注管理を行うことで、より正確に発注すべきタイミングを把握でき、発注ミスも防げます。
それでは順番に見てみましょう。
①棚卸の間隔を短めに設定
発注管理には棚卸が必須。
一般的には「年度期末」に棚卸をするところが多いようですが、適切な発注管理ができていない場合は半期末や毎月末、週末など、より短い間隔で設定してみましょう。
その際、場所や種類で棚卸の日を分けることがポイントです。
②担当者を決めておく
スタッフの中で、発注管理の担当者を決めておきましょう。
担当者としての責任感と在庫管理への意識が高まるため、より適正な発注管理が可能になります。
また、担当者を設けない場合は、現場の責任者からスタッフへ発注管理について指導してもらいましょう。
③発注のルール化
発注のタイミングがルール化されていない場合、発注ミスが多くなります。
「〇個以下になったら発注」「〇日に発注」など発注のタイミングを決め、ルールとして共有しましょう。
④発注管理の意識を高める
もし発注管理がうまくいかないのなら、原因はスタッフの意識の低さかもしれません。
その場合は、スタッフ一人一人が責任をもって管理できる労働環境を整えるところから始めてみましょう。
特に、仕事に対するやりがいや面白さにつながる「意味的報酬」を提供することで、スタッフの仕事に対する意識が高まりやすくなり、発注ミスの減少にもつながります。
発注管理における5Sの役割
5Sはきれいが続くクリニックを作るためのベースとなる活動であり、発注管理をしやすくする効果もあります。
それでは、発注管理において5Sにはどのような役割があるのか、5Sの活動内容「整理・整頓・清掃・清潔・躾」それぞれについて見てみましょう。
整理
整理とは、不要なものを除き、乱れた状態を整えること。日ごろから整理されていると在庫の確認作業がスムーズに進みます。
一方整理されていない状況では、必要なモノと不要なモノが混在するため、棚卸などの作業効率が低下し、発注ミスも起こりやすくなります。
整頓
整頓とは、使いやすい状態に配置すること。
ジャンルやシーン別の用途に分け、秩序立てて配置することで使いやすい環境が整い、本当に必要な発注品がわかりやすくなります。
清掃
清掃を行うことで在庫や備品の劣化を防ぎ、きれいな状態を保つ効果があります。
清潔
「清掃」と同様に、清潔な環境は在庫や備品の劣化を防ぎ、きれいな状態を保つ効果があります。
しつけ
「しつけ」として職員へ発注管理について指導することで、発注管理への意識を高めたり、発注ミスを防ぐ効果が期待できます。
不十分な発注管理は経営圧迫の可能性
不十分な発注管理は無駄な発注につながり、無駄な在庫を抱えた結果、資金繰りにダメージが及びます。
また、在庫が不足した状態に陥れば、患者さんに迷惑がかかり、クリニックの信頼を失いかねません。
クリニックの経営にとって、資金繰りと患者さんからの信頼はとても大切です。
発注管理できれいが続くクリニックへ
この記事では、きれいを保つ仕組みづくりの一環である「発注管理」についてご紹介しました。
整理整頓しても、発注管理が不十分な状態では発注ミスが起こり、モノがあふれ、散らかりやすくなります。
不要な発注を防止するためにも、早めに適切な在庫管理の方法を見出しましょう。
また、上手な発注管理はクリニックのきれいさにつながるだけでなく、経営状況を安定させることにもつながります。
この記事を読んで、いつまでもきれいなクリニックを保ち、経営状況も安定させたいと感じた方は、ぜひ一度発注管理を見直してみてはいかがでしょうか。