上記のように、クリニック内の書類の処分に困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
クリニックでは紙カルテや検査データ、納品書、請求書など、さまざまな書類が発生しますが、どれも重要で捨てにくいもの。
しかし、いつまでもとっておくわけにはいきません。
そこでこの記事では、クリニック内の書類に関する保存期間をご紹介します。
書類にはそれぞれ法律で保存期間が設けられていますので、定められた保存期間をもとに捨てるタイミングをルール化しましょう。
現在クリニックの書類の処分にお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。
クリニック内の書類、すぐに捨てないで
クリニックには紙カルテや検査データ、納品書、請求書、領収書などの重要書類がたくさんありますが、どれもすぐに捨ててはいけません。
書類ごとに法律で保存期間が定められており(※以下、法定保存期間と呼ぶ)経営者には保存義務があるからです。
もしも法定保存期間を守らずに書類を捨ててしまうと、法律違反とみなされ罰則を受けることもあります。
と自己判断で安易に捨ててはいけません。
必ず法定保存期間を確認し、保存義務を守りましょう。
「残す・捨てる」を決めるルールをつくろう
クリニックで発生する書類は「残す・捨てる」のルールを決めて処分しましょう。
「残す・捨てる」のルールがないと捨てるタイミングが明確にわからないため、いつまでも書類が残っていたり、法定保存期間を守らずに捨ててしまったりする可能性があるからです。
「残す・捨てる」のルールを作る際は、まず法定保存期間をもとに院内の保存期間(※以下、院内保存期間と呼ぶ)を決定しましょう。
そして「院内保存期間内の書類は残す、院内保存期間を過ぎたものは捨てる」とルール化すれば、迷わずかつ正しく書類を処分できます。
ただし院内保存期間を、法定保存期間よりも長く設定するのは、あまりおすすめできません。
特に、スタッフのマイナンバーは顧問の税理士に確認の上、取り扱いをする様にしてください(※1)。
※1:記事作成にあたり参考にしたサイトはこちらです。 https://www.okan-media.jp/useful-period-of-documents#:~:text=%E6%9B%B8%E9%A1%9E%E3%81%AB%E3%81%AF%E6%B3%95%E5%BE%8B%E3%81%A7,%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%AF10%E5%B9%B4%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
書類ごとの保存期間
法定保存期間は書類ごとに正しく把握しましょう。
誤った情報で書類の院内保存期間を決めてしまっては、法律違反になりかねません。
次の厚生労働省のホームページには、書類と記載事項ごとに保存期間が明記されています。
書類の院内保存期間を決定する際は、次のURL(※2)を参考にしてみてください。
※2:参考サイトhttps://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/06/s0624-5e.html
おすすめ書類の保存方法
次に、書類の保存方法についてご紹介します。
大量の書類を院内で保存するには広いスペースが必要ですが、次の2つの方法なら書類の保存に使用するスペースを大幅に削減できます。
- 電子データで保存する
- 保存サービスを利用する
空いたスペースは他の使い道に有効活用できますし、上記の方法であれば増え続ける書類の保存にも対応可能です。
1.電子データで保存する
電子データでの保存方法は、書類の保存スペース削減と同時に、業務効率を格段に上げてくれる方法です。
電子データとして保存する方法には、次の3種類があります。
- 電子的にデータを作成し、電子データのまま保存する
例:電子カルテ
- 紙で作成したデータをスキャンし、画像データとして保存する
例:他の診療機関からの紹介状や手術の同意書など
- 電子的に取引した情報を、電子データのまま保存する
例:メールで授受した領収書や請求書など
そして上記3種類の方法をセットで活用することで、最大限電子データ化でき、書類の保存スペースの大幅な削減になります。
紙カルテを利用しているクリニックでは、まずは電子カルテ導入を検討するところから始めてみてください。
2.保存サービスを利用する
外部の保存サービスは、比較的低コストで利用しやすく、書類の保存スペース削減に即効性のある保存方法。普段は使わないけれど保存が必要な書類を保存するのにおすすめです。
そして、さまざまな保存サービスがありますが、クリニックの書類の保存は「文書保存専門のサービス」に依頼しましょう。
文書保存専門のサービスなら、セキュリティ対策万全の施設で保存してもらえるからです。
ちなみに「書類分類サービス」も存在しますが、外部の人が機密情報を閲覧することになるため、利用しないほうが無難でしょう。
また、保存サービスと似ていますが、「レンタル倉庫」や「レンタルルーム」などは、セキュリティ対策が万全ではないので避けましょう。
正しく書類を保存しよう
この記事では、クリニック内にある書類の保存についてご紹介しました。
書類の保存は法律にも関わる重要事項。まずは、法律に基づき院内での保存期間を設け、捨てるタイミングをルール化することが大切です。
また、クリニックの経営を続けているとどうしても書類は増え続けます。そして、いずれ院内だけで保存することが難しくなる日がやってくるでしょう。
書類を電子データ化するのか、保存サービスを利用して書類の保存スペースを確保するのか。経営戦略を練りつつ、書類が溢れて手に負えなくなる前に保存方法を見直してみてはいかがでしょうか。