「患者さんに来てもらうにはどうすればいいのだろう…」とお悩みではありませんか?
そこで本記事では、私が17年間クリニックを経営した中で得たクリニックの収納力と増患力の大切な関係性についてお伝えします。
記事内では当院で実践している収納方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
収納力と増患力が比例する理由
本記事のタイトルにもある通り、収納力と増患力は比例します。
理由は、院内がきちんと整備されて収納力が上がると患者満足度も上がり、リピートや口コミなどで患者さんが増えるからです。
収納を整えることで増患力がつく仕組みは次の通りです。
収納を整える
→5S促進
→業務改善につながる
→患者さんの安全と信頼を高められる
→患者満足度UP
→増患力がつく
よって、増患力をつけたい場合は収納を見直しましょう。
【開業前】に考えたいクリニックの収納力のこと
収納の確保は開業前から。クリニックの設計段階で、収納スペースを確保しましょう。
しっかりとした収納力は、小手先の収納では獲得できないと考えています。
そのため、あらかじめハード面での空間を確保することをおすすめします。
なお、不動産スペースに限りのある場合は、患者さんの待ち時間を管理できるシステムを導入するなどして、効率の良い運営をソフト面でカバーされることをおすすめします。
【開業後】に考えたいクリニックの収納力のこと
開業した後に「もっとこうしたほうがよかった」と思う部分が出てくるケースもあると思います。
その場合は、収納棚やワゴンなどの後付け収納の設置を検討してみましょう。
そして、クリニックの課題について考え、収納で改善できることはあるか見直すことで、さらに増患力がつくでしょう。
また、先に紹介したように、患者さんの待ち時間を管理できるシステムを導入するなどして、効率の良い運営をソフト面でカバーする方法もおすすめです。
増患力UP!当院おすすめの収納術6選
それでは、当院で実践しているおすすめの収納術をご紹介します。
ご紹介する内容は次の6つです。
- 作り付けの戸棚
- カルテ庫
- 受付棚
- トイレ
- 待合室
- 空間
すでに開業している方でも実践できる収納術もご紹介しますので、これから開業される方はもちろんのこと、すでに開業されている方も是非参考にしてみてください。
1.作り付けの戸棚
当院の作り付けの戸棚は、低めの造作家具。
患者目線に配置されていて圧迫感がありません。
扉がついているので中身が見えず、すっきりとした空間を作ることができます。
2.カルテ庫
当院では5万人以上収納できるカルテ庫を設置しています。
1箇所で収納管理できるため、仕事がスムーズです。
現在は、完全電子化によりカルテ庫を撤去し、第二診察室に改修しました。
3.受付棚
当院の受付の収納棚は、受付テーブルに直角に設置し、収納棚の中身が患者目線から外れる設計にしてあります。
そして、棚の高さを低めにすることで、限定空間の受付スペースを広く見せています。
また、棚の内側は黄色で、仕切りは透明なガラス。明るい印象をもたせる色合いにもこだわりました。
4.トイレ
トイレの収納で気を付けたいのは収納スペース。
当院では、あえてトイレに収納スペースを設けていません。
よって、トイレに掃除ブラシやトイレ洗剤などは配置しておらず、ホテルのようなすっきりとしたトイレを目指しています。
5.待合室
待合室は、感染症対策の観点から週刊誌などは設置せず、持ち帰りのパンフレットだけをまとめて置いています。
収納スペースも設置していません。
6.空間
所々に絵画やスタッフの全体写真を掛け、空間を上手に使っています。
なお、余白を持たせることも大切です。
白色の壁紙は清潔感もあり、空間を広く見せる効果があります。
増患を意識した収納で注意すること
増患を意識した収納では、次の2点に注意しましょう。
- 患者目線で「見せ方」に注意する
- スタッフ目線で「動線」に注意する
患者目線・スタッフ目線の両方の視点から収納を考えることで、増患力がつくようになります。
それでは、増患を意識した収納で特に気をつけた方がいいポイントを、患者目線・スタッフ目線に分けてご紹介します。
患者目線で「見せ方」に注意する
患者目線では「見せ方」に注意しましょう。
先に紹介したように、
- 収納棚の中身が見えないように扉をつける
- 受付テーブルに直角に設置し、収納棚の中身が患者目線から外れる設計にする
- トイレに掃除用具を置かない
など、収納しながらも「いかにきれいに見せられるか」が大切です。
患者さんがクリニックを訪れた時、クリニックに対して良い印象を持ってもらうにはどうすればいいか、また、どのような印象を持つか考えるとわかりやすいと思います。
また、プライバシーへの配慮は大切。個人情報などは患者さん側から見えないよう気をつけましょう。
スタッフ目線で「動線」に注意する
スタッフ目線では「動線」に注意しましょう。
スムーズな動線の確保は業務のしやすさに直結するからです。
つまり、業務がしやすければ、患者さんへ提供する医療の質を高めることにもつながり、患者満足度がアップ。その結果、増患力が付きます。
収納力の高いクリニックを目指そう
この記事では、クリニックの収納力と増患力についてご紹介しました。
収納を整えることで患者満足度が上がり、その結果増患につながるように、クリニックの増患と収納力は比例関係があるといえます。
これからクリニックを開業しようと考えている方や、もっと患者さんを増やしたいと思っている方は、ぜひこの記事を参考に収納を整えてみてはいかがでしょうか。