現代の医療業界では、単に優れた医療サービスを提供するだけではなく、それを適切にマーケティングすることが求められます。マーケティングが上手くいけば、宣伝広告やプロモーションにお金をかけずとも患者さんを集めることが可能です。
しかしながら、どのようにマーケティングを進めれば良いかわからず、足踏みしている方も多いでしょう。本記事ではクリニック経営に欠かせないマーケティングの重要性と、集患戦略について解説します。
地域密着の眼科クリニックである当院も、マーケティングによって新規の患者さんを増やすことに成功しました。
ぜひ本記事を参考にして、初診率や再診率の向上に繋げてください。
クリニックのマーケティングの重要性
マーケティングというと、商品やサービスを販売する企業が行うものというイメージをお持ちではありませんか。しかし、マーケティングはクリニック経営においても非常に重要です。ここでは、クリニックのマーケティングの重要性を解説します。
患者さんのニーズを理解するため
医療業界では、患者さんのニーズと期待を理解し、それに応じたサービスを提供することが求められます。患者さんの満足度を高めることで、再診や評判による新規患者の獲得につなげることは、マーケティング活動そのものです。
さらにマーケティング活動を通じて、患者ニーズを把握し、それに基づいたサービス改善や新サービスの開発を行えるようになります。例えば、アンケート調査やインタビューを通じて、患者満足度や要望を収集し、それをもとにオペレーションの改善を行うことが可能です。
競争力を強化するため
医療業界は競争が激しく、同じ地域に多数のクリニックが存在します。こうした状況で、自院を選んでもらうためには、他院との差別化が重要です。
マーケティング活動に取り組むことで、自院の特徴や強みを明確に伝え、潜在的な患者に対する認知度を高めることが可能です。例えば、ウェブサイトやSNS、パンフレットなどを通じて、自院の特色あるサービスや設備、スタッフの専門性などを強調するなどが考えられます。
ブランドイメージの構築
マーケティングは、クリニックのブランドイメージを構築する上で重要な役割を果たします。一貫したメッセージを発信し、クリニックのビジョンや価値観を伝えることで、患者さんや地域社会に対する信頼性と認知度を高めることができます。
例えば、クリニックの理念を明確に打ち出し、それを基にしたコミュニケーションを行うことで、クリニックのブランドイメージを強化することが可能です。
院長夫人がマーケティングを行う際に注意すべきポイント3つ
クリニックのマーケティングを行う際は、院長夫人がその役割を担うことが大切です。しかし、マーケティングに関して専門的な知識やスキルを持たない方にとっては不安も大きいでしょう。
ここでは、院長夫人がマーケティングを行う際に注意すべき3つのポイントを解説します。
①マーケティングのトレンドを把握する
マーケティングの世界では日々トレンドが変化しています。常に最新のトレンドを把握し、自院のマーケティング戦略に取り入れましょう。クリニックでいえば、Googleビジネスプロフィールの運用(MEO対策)は必須ですが、それに付随して近年では口コミを効率的に集めるサービスも登場しています。
他にもLINEやInstagramといったSNSの活用も、クリニックをアピールする上で有用でしょう。全てを取り入れるのは現実的には難しいかもしれませんが、そうしたサービスがあることを把握しておくことは大事です。
②自己流にならない
マーケティングは専門的な知識と技術を要する分野です。過去の経験則や勘に頼り過ぎることなく、常に新しい情報を入手し、知識をアップデートすることが求められます。
例えば、セミナーへの参加や、マーケティングのプロからの学びなどを通じて、最新のマーケティング知識を身につけることが可能です。UdemyやYouTubeではマーケティングのプロによる動画も多数公開されているので、そうしたサービスを活用するのも手です。
プロの知見を参考に自院のマーケティング戦略の見直しや、オペレーションを改善し続けましょう。
③広告の最適化をする
広告はマーケティング活動の中心的な要素ですが、その効果を最大化するためには、広告の最適化が必要です。広告媒体はデジタル広告(リスティング広告、SNS広告など)だけでなく、看板広告、駅の広告、雑誌掲載、協賛など多岐にわたります。
クリニックが求める患者層に有効な広告媒体を選び、広告コストの最適化を図ることが重要です。予算には限りがあるため、院長夫人には費用対効果を高める能力が求められます。
クリニックのマーケティングと集患戦略
クリニックのマーケティング活動といっても、その手法は多岐に渡ります。新しいチャレンジも大切ですが、闇雲に手を出すのではなく、それぞれの特性を理解したうえで、適切な手法を取り入れることが大切です。
ここでは、具体的なマーケティングと集客戦略について解説します。
オンラインマーケティング
現代の医療業界では、インターネットを活用したマーケティングが非常に重要です。ウェブサイトやSNSを活用して情報発信を行うことで、広範な患者層にアピールできます。
具体的には、クリニックのウェブサイトには、診療内容、診療時間、医師の紹介など、患者さんが知りたい情報を詳細に掲載します。また、SNSでは、日々の診療風景やスタッフの紹介、新型コロナウイルス等の時事情報の提供などを行うことで、患者さんとのコミュニケーションを図ります。
地域との関わり
地域との関わりもクリニックのマーケティングと集患戦略において重要な要素です。地域のイベントに参加したり、地域社会への貢献活動も参加したりすることで、地元の人達からの信頼が得られます。
例えば、健康教室の開催や地域のスポーツイベントへの協賛、地域の清掃活動への参加などが挙げられるでしょう。地域社会とのつながりが深まることで、クリニックの認知度向上や、新たな患者さんの獲得につながります。
パーソナルな接触の強化
患者さん一人ひとりとのパーソナルな接触を強化することも、クリニックのマーケティングと集患戦略において重要です。患者さんがクリニックを訪れた際に、親切で丁寧な対応を心掛けることで、患者満足度を高め、再診や口コミによる新規患者の獲得につながります。
具体的には、受付スタッフの接遇マナーの向上、医師や看護師とのコミュニケーションの質の向上、診療後のフォローアップの徹底などを行います。これにより、患者さんにとってのクリニックの価値を高め、長期的に良好な関係を築けます。
クリニックのマーケティング実践例
ここまで、クリニックにおけるマーケティングの重要性や注意点を解説しましたが、実際にマーケティング活動を実践するとなれば「イメージが湧かない」という方も多いでしょう。
ここでは、クリニックにおけるマーケティング実践例を紹介します。
オウンドメディアの運用
マーケティングに力を入れているクリニックでは、オウンドメディア(クリニック公式サイトやブランドサイト)の充実やSEO対策を行い、オンラインからの新規患者獲得に力を入れています。
例えば、ウェブサイト上に、診療内容、診療時間、医師の紹介、診療実績など、患者さんが知りたい情報を詳細に掲載します。また、SEO対策を行うことで、検索エンジンからの訪問者数を増やし、新規患者の獲得につなげています。
さらに、ウェブサイト上でのオンライン予約システムを導入することで、患者さんの利便性を高め、初診率や再診率の向上に努めています。
おおるり眼科クリニックの実践例
当院では、YouTubeやブログを通じた情報発信を行っています。これにより、クリニックの存在を広く知らせ、新たな患者を集めることに成功しています。具体的には、YouTubeを通じてクリニックのサービス内容や地域での活動などを紹介するなど、視聴者にクリニックの魅力を伝えています。
また、YouTubeを通じて、視聴者からの質問に直接答えることで、パーソナルなコミュニケーションを図り、信頼関係を築いています。
まとめ
本コラムでは、クリニックのマーケティングの重要性とその実践例について解説しました。マーケティング活動は、クリニック経営の成功に大きく寄与します。マーケティング活動の成果を高めるには、クリニックのビジョンや経営方針を深く理解し、それに従って施策を実施することが大切です。
そのため、クリニックのマーケティング活動は、院長と最も距離が近く、日々コミュケーション図っている院長夫人が担うのが最適と考えます。
マーケティングの役割を全うすることで、クリニックのビジョンを具現化し、患者さんとの強い絆を築くことが可能です。あなたのクリニックのマーケティング戦略の見直しや新たなチャレンジの参考になれば幸いです。