クリニック経営において、院長夫人の役割は経理や事務作業だけとお考えではありませんか。
実際にはクリニックを成長させる上で、院長夫人の役割はそれだけに留まりません。院長夫人がクリニック経営やマネジメントに積極的に関わることは、クリニックの成長に大きく寄与します。
しかしながら、具体的に何をどのようにやれば良いのかイメージが湧かない方も多いでしょう。
本記事では、クリニック経営における院長夫人の役割について詳しく解説します。院長のパートナーとして、あなたの力でクリニックを支えていきましょう。
院長夫人がクリニック経営で求められる役割
クリニック経営において院長夫人に求められる役割は多岐にわたります。なぜなら、院長夫人は院長と同じ経営者視点を持ち、業務全般を理解する必要があるためです。ここでは、院長夫人が果たすべき主な役割を紹介します。
経営戦略の策定と実行
院長夫人は経営者である院長のパートナーとして、クリニックの長期的なビジョンを共有し、経営戦略の立案に深く関わることが大切です。
これには、設備投資や医療システムの導入に関する計画や銀行との交渉、そして10年後を見据えたクリニックの方向性を定めることなどが含まれます。
財務管理と予算の監督
クリニックの財務状況の健全性を維持するために財務管理と予算の監督を行うことも大きな役割です。具体的には経理業務の監視、予算の計画と管理、財務状況の分析などが挙げられます。
クリニックによっては税理士にお願いしているケースも多いと思いますが、クリニックのお金の流れを理解することはとても大切です。日頃から無駄なコストが掛かっていないか確認したり、将来を見据えて何に投資するか決めたりすることで、クリニック経営を財務面から支えることができます。
マーケティングとブランディングの推進
クリニックのブランド価値を高め効果的なマーケティング戦略を実施することで、クリニックの認知度を高め新規の患者さん獲得に役立ちます。
例えば、チラシ・ポスティング広告やWeb広告、SNS運用、Googleビジネスプロフィール(MEO)などが挙げられます。また、地域社会と交流し、住民のみなさまとの関係性を深めることも大切です。
患者さんへのサービスとクオリティの管理
患者さんに対するサービス品質の維持は、クリニックの満足度や評判を左右する重要な要素です。院長夫人は、患者さんに対する接遇、待合室の快適性、診療の質など、提供するサービス全体にわたる品質管理の徹底が求められます。
また、事務長として自らも現場に出てスタッフをマネジメントすることで、スタッフが成長し、結果的に患者さん満足度の向上につながるでしょう。
人材管理とスタッフの育成
スタッフはクリニックの大切な資産です。とりわけ少子化などの影響に伴い、人材採用は年々難易度が高まっています。
したがって院長夫人はスタッフの採用、教育、モチベーション管理に関わることが大切です。結果として、スタッフの定着率向上および、チームワークの発揮によるクリニックの成長に貢献します。
院長夫人がクリニック経営を主導すべき理由
クリニック経営において、院長夫人はサポート役に留まらず、経営目線を持って積極的に関わることが大切です。しかし、突然経営目線を持てといわれても、イメージが湧かない方も多いでしょう。
ここでは、院長夫人がクリニック経営に主体的に関わるべき理由を解説します。
クリニック経営は家業ゆえに自ずと真剣になる
クリニック経営は家業なので、院長を支えるうちに自然とやるべきことが見えてきます。一方、「経営のことなら経営コンサルタントに任せた方が良いのではないか。」と感じる方もいるでしょう。
しかし、経営コンサルタントはあくまでも外部の人間であり、いずれにしても第三者です。もちろん色々なアドバイスをしてくれますが、一定のラインを越えることは行いません。
身内である院長夫人は、院長を公私共に支えることができます。始めは経営のことは何もわからないかもしれませんが、それはみなさん同じです。院長でさえ、開業前に経営をしっかり勉強しているわけではありません。
運命共同体意識を持ち、院長と同じ目線で経営に関わることで、自然とやるべきことが見えてきます。
スタッフと違い夫人は裁量権を持っている
クリニック経営では、迅速かつ効果的な意思決定が求められる場面も少なくありません。そんな時に院長夫人は、スタッフとは異なり、重要な判断を下すための裁量権を持っています。
これにより、必要な時に即座に決断し、クリニックの運営をスムーズに進めることが可能です。
クリニックのスタッフは経営に明るくない
クリニックのスタッフは医療や患者ケアには精通していますが、経営に関する知識や経験を持っている人はほとんどいません。院長も、クリニックの経営状況をスタッフに細かに説明することはないでしょう。
一方、院長夫人は、日頃から院長とクリニック経営に関して会話する機会が多いため、経営視点が磨かれています。したがって、日常業務のことはスタッフに任せ、院長夫人は経営の方に集中しましょう。
クリニック経営を主導する際のポイント
院長夫人がクリニック経営を主導するにあたり、重要なポイントがいくつかあります。これらのポイントを適切に理解することで、院長夫人はクリニックの経営において強いリーダーシップを発揮できます。
外部のコンサルタントや業者に丸投げしない
クリニック経営において、状況に応じて専門家の助言を受けることも重要です。しかし、経営にかかわること全てを外部に委ねるべきではありません。
面倒なことは避けたいからといって、丸投げしてしまうと、思うような成果に繋がらないばかりか、業者にとって都合よく使われてしまう可能性もあります。したがって院長夫人は、経営の主要な決定に積極的に関与し、外部の意見を参考にしつつも自身の判断で決定を下すべきです。
経営学やITスキルを習得する
経営の基本知識やITスキルは、現代のクリニック経営において必要不可欠です。院長夫人は、オンラインコースやパソコンスクールを活用してこれらのスキルを習得し、経営に対する理解を深めることが大切です。
ちなみに、私もこれまでのクリニック経営で培ったノウハウをより多くの方に還元したいという想いからオンラインスクールを開設しています。ご興味がある方は、ぜひお問い合わせください。
スタッフとの人間関係を大切にする
クリニックのスタッフとの良好な関係は、効率的な運営と快適な職場環境の両方の期待に沿うことができます。院長夫人がすべての業務を完璧にこなすことは不可能なので、一部の業務は権限委譲しなければなりません。
だからこそ、日頃からスタッフとのコミュニケーションを図り、自分の考えを理解してもらうと共にスタッフのモチベーション向上に務める必要があります。
常に新しい情報を入手する活動をする
医療業界は常に進化しているため、最新の知識と情報を常にアップデートすることが重要です。例えば、セミナーや展示会へ参加することで、最新のトレンドや技術を学びクリニックの経営に活かすことが可能です。
常にクリニックで診療している院長に代わって、情報収集をしたり市場分析をしたりすることは、クリニックの成長に欠かせません。
まとめ
本記事では、院長夫人のクリニック経営における重要な役割と、その役割がクリニックの成功にどのように貢献するかについて検討してきました。院長夫人は、クリニックの共同責任者として、多岐に渡る業務に積極的に関わることが大切です。
したがって、経営学やITスキルの習得、組織マネジメント、マーケティングといった専門知識も習得すべきでしょう。もちろん、日常業務の合間に学習時間を捻出することは容易ではありません。あれもこれもにならないように、一つのテーマを決めて1歩ずつ着実に成長していきましょう。
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