開業医との結婚生活は日々の忙しさにより、夫婦での支え合いが欠かせません。特に院長夫人になるということは、ただ家庭を支えるだけでなく、時にはクリニックの運営においても重要な役割を果たすことが大切です。
一方、多くの院長夫人は、どのように夫をサポートすればよいのか、またその成功のポイントは何なのかについて悩むことも少なくありません。
私自身も主人の開業に伴い、専業主婦から事務長としてクリニック経営に携わることになり、当初はわからないことだらけで、すべてイチから勉強しました。
しかし常に挑戦を続けたことで、クリニックは着実に成長を果たすことができたのです。
本記事では、院長夫人が院長をサポートする方法と、その成功のためのポイントを紹介します。もし、あなたが院長夫人として夫をどのように支えるべきか悩みを抱えていましたら、この記事を読むことで、何をすべきかが見えてくると思いますので、ぜひ参考にしてください。
院長夫人としての心構え
院長夫人は、単に夫の生活を支えるだけが役割ではありません。院長の最も身近なパートナーとして精神的な支えであり、さらにクリニックの共同経営者としての意識を持つことが大切です。したがって、時にはクリニック経営における重要な意思決定が求められます。
このような話を聞くと、「クリニック経営なんて自分にはできない」と尻込みされるかもしれませんが、そもそも多くの院長夫人にとって経営は未知の領域です。私も主人がクリニック開業をするまで専業主婦でしたので、経営や会計の知識を持ち合わせておらず、事務長として何をしたら良いか全くわかりませんでした。
しかし、院長である主人を支えることができるのは自分しかいないと考えイチから勉強をしました。実際に色々なことに挑戦してみると、どんどん世界が広がり、自分でも想像できないほど成長できたのです。
ですから、はじめからできないと決めるのではなく、「少しずつでいいから新しいことに挑戦してみる」といった姿勢を持つことが大切です。未経験の領域に踏み出すことは不安もありますが、新しい自分に出会える絶好の機会となります。
今は何もできなくても心配いりません。院長とともにクリニックの成功を目指し、日々の業務に積極的に関わることが大切です。その結果として、クリニックの成長と共に自己成長につながります。
院長夫人が院長をサポートする方法
院長夫人のサポートは、クリニック経営に不可欠です。それでは、院長夫人としてどのようなサポートをすれば良いのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
院長が診療に集中できるようにする
最も重要なことは、院長が患者さんへの診療に集中できる環境を整えることです。特に、開業をすると決まったら、その準備段階からサポートを開始します。
例えば開業準備では、土地探し、金融機関との交渉、役所への申請など、多くの手続きが必要です。さらに開業後もさまざまなやり取りが発生します。
これらの一部でも院長夫人が担うことで、院長は診療に集中できるでしょう。医療行為は医師しかできないため、経営に関わる重要な業務を院長夫人が担うことで、クリニックの運営がスムーズになります。
家事や子育てを疎かにしない
クリニック経営に関わる中でも、家事や子育てを疎かにしないようにしましょう。クリニック経営は、院長が健康でなければ成り立ちません。院長に安心して診療に専念してもらうためにも、栄養バランスを考えた食事作りや、洗濯、掃除といった家庭環境を整えることは最優先事項になります。
ただし、クリニックの仕事が大変で、どうしても家事まで手が回らないときは、家事代行サービスの活用や子育て支援サービスなども活用しましょう。
院長ができないことを学習する
開業後は、院長は患者さんの診療に掛かりっきりになります。したがって、それ以外の経理、スタッフ育成・採用、システム導入などは基本的に院長夫人が対応するようにしましょう。
はじめのうちは、わからないことでも院長の代わりに積極的に学習に励むことで、院長は患者さんへの診療に集中できるようになります。
人付き合いを大切にする
医療関係者との付き合いはもちろん、クリニックの近隣住民や患者さんとの良好な関係構築も重要です。
例えば、患者さんや知人からの贈り物には手書きの礼状を送るなど、人として誠実に対応することで、クリニックを支援してくれる方が自然と増えていくでしょう。
雇用主としての責任を持つ
顧問税理士や社労士のサポートを受けつつ、法令を遵守することは基本中の基本です。また、スタッフからの雇用関係の質問に対して迅速に対応し、やりがいを感じられるような環境を整えることも大切です。
さらに、業務効率化を図り、適切な休暇の確保、子育て中のスタッフも働きやすい体制を整えることは、クリニックの長期的な成功に寄与します。
院長夫人としてのサポートを成功させるポイント
院長夫人が院長をサポートする際は、押さえておくべきポイントがあります。これらのポイントを常に念頭に置くことで、忙しさの中でも自分を見失わず、やるべきことに専念できます。
日々の忙しさを理解して家族で協力し合う
開業医は勤務医とは異なり、時間的な制約が大きく、常に多忙です。この現実を家族全員が理解し、お互いに協力し合うことがとても重要です。例えば、子どもには自分で出来ることは自分でやってもらうことや、完璧を求めすぎず上手に手を抜くことも覚えましょう。
ワークライフバランスを意識することは大切ですが、常にバランスよくやろうとすると、心身ともに負担が大きくなります。したがって、今やるべきことの優先順位を決めて、優先順位が低いものは手段を変えるなどして調整しましょう。
開業医の妻の苦労を知っておく
現在ご主人が勤務医の場合でも、いずれ開業医になる可能性もあります。そうなった場合、院長夫人として経営をサポートすることになりますが、相応の苦労が伴いますし、色々なことを勉強する必要性が出てきます。
あらかじめ院長夫人の苦労を知っておくことで、もしご主人が開業医になった場合でも、心に余裕を持って対応できます。開業医の妻としてやるべきことを理解し準備をすることは、クリニック経営時の負担軽減につながるでしょう。
まとめ
本記事では、院長夫人としての心構えとサポートの方法について解説しました。開業医の院長は多忙であるがゆえに、院長夫人はクリニック経営や生活環境の面で献身的なサポートが必要です。人によっては、荷が重いように感じられるかもしれませんが、院長を誰よりも支えることができるのは、院長夫人にしかできない役割です。
また、院長夫人としての役割は大変ながらも、自分の頑張りによって直接クリニックの成長を目の当たりにできることは、何にも代えがたい喜びがあります。
そのため、やるべきことをこなしながらも、日々の業務を楽しむ余裕を持つことがとても大切です。院長夫人の役割を理解し、院長と二人三脚で歩むことで、どんな困難も乗り越えることができるでしょう。