- 自院の患者さんを増やしたい!
- 看板によるマーケティングって効果あるの?
- 看板によるマーケティングの効果的な方法を知りたい!
クリニックにとっての看板は、地域の皆さんに自院の存在を知らせる有用なマーケティングツールです。
近年はマーケティングの主戦場がインターネットに移っており、看板の存在感は薄れがちです。
しかし、インターネット主流の今だからこそ、看板というオフラインツールを上手に活用することが肝心です。
看板をオンラインと融合する形で、戦略的なマーケティングを行えば、さらに大きな成果が期待できるからです。
本記事では、看板をオンラインと融合する具体的な方法と、効果的な運用方法をご説明します。
この記事を読めば、オンライン集患がメインとなった現代における、効果的な看板の作成方法と、的確な運用方法が分かります。
インターネット時代の看板の目的とは
インターネットの浸透により、どの業界においてもマーケティングの主戦場は、オンラインすなわちインターネットに完全に置き換わりました。
医療業界も例外ではなく、私の経営するクリニックにおいても、患者さんの来院理由は「ホームページを見て」が30%以上を占めています。
インターネットが浸透する前は「看板」もマーケティング手法の主役の1つとして位置付けられていましたが、現在ではその立ち位置が大きく変わっています。
<従来の看板の役割>
-
認知拡大
・・・潜在患者さんに自院の存在を知らせる役割
→スマホで「その場ですぐに」情報を得られるために希薄に -
ナビゲーション
・・・来院される患者さんのための標記
→カーナビ、マップアプリにより希薄に
現代における新たな看板の役割
現代の看板は、従来の認知拡大やナビゲーションとしての位置付けは多少残りつつも、その役割の重要性は薄れてしまっています。
しかし、インターネットの登場により、看板に新たな役割が生まれたのです。
それが、「自院のホームページの入り口」となることです。
インターネットの普及により、どんなビジネスにおいてもホームページを作ることはもはや当たり前になりました。
そして、自身のホームページへいかにユーザーを呼び込むかが課題となり、これを各企業・団体がこぞって競争しているのが今の市場の状況です。
ホームページとの融合
それでは、「自院のホームページの入り口となる看板」とはどういうことでしょうか。
それは、看板に自院のホームページへのリンクを設定した
・Q Rコード
・検索窓
などを記載し、看板からホームページへの訪問者を増やすということです。
自院のホームページの訪問者数が増えると、そのページがGoogleによって評価されるため、SEO・MEOの順位が上がり、他のユーザーにも検索されやすくなると言われています。
現在のマーケティング は、ホームページを全ての情報の根幹としてSNSやブログ・看板などの情報発信ツールとつなげ、ホームページにいかに人を呼び込むか、という全体最適で戦略を練ることが大切です。
今回のお話は、既に自院のホームページをお持ちの方、あるいは制作中であることを前提にお話ししていきます。
もしまだホームページの作成をされていない方は、こちらの記事を参考に並行してホームページの作成を進めてください。
主な看板の種類と特徴
現代の看板の主な役割をご紹介しましたが、さらに看板の種類と特徴について詳しく説明します。
野点看板(LED看板)
幹線・主要道路に設置する、車の運転手をターゲットにした看板です。
自院が主要な道路の近くある場合は効果的ですが、見た人が自院の場所を想起できないほど離れた場所に立てることはおすすめできません。上記掲載写真は当院のLED看板になります。
LED広告
電子看板のため、スライドショーのように内容を変えることができます。
表示できる内容が増えるため、クリニックの理念なども紹介すると良いでしょう。これによりクリニックのブランディング効果が期待できます。
私の医院では、戸外と市役所のカウンターの上に表示しています。
駅の電光掲示板
最寄駅のホームへ向かう階段の壁面に設置する看板です。
通勤・通学の社会人や学生からの視認効果を狙うものです。
駅から近いことがアドバンテージになる場合は効果的です。
私たち眼科のように定期検診が必要な診療科は、患者さんにとって駅に近いことのメリットが大きく、訴求できるポイントになります。
効果的な看板を作成する5つのポイント
前章では看板とホームページの融合が大切と!お伝えしました。
その役割を果たすために大切な看板制作のポイントをご紹介します。
HPへの誘導情報を記載する
HPへの誘導ポイントを作りましょう。上述した様に、看板とホームページとを融合させるためです。
看板の限られたスペースだけで、自院をアピールすることは不可能ですので、ホームページへ閲覧者を誘導しましょう。
また、ネットによりお店の口コミや評判が丸わかりな昨今では、看板だけを見て来院される患者さんは稀です。
さらに私たちは医療という、人々にとって最も大切な健康に関するサービスを提供するわけですから、患者さんはさらに慎重になります。
看板を見た人が自院をさらに調べたいと思っても、検索で自院がヒットしなければ、諦めて他のクリニックを検討してしまうこともあり得ます。
自院のサイトが検索でヒットしないことを避けるため、ホームページへ直接つながるQRコードや、検索で1位表示される検索ワードを明記しましょう。
医院名、診療科をわかりやすく表示
医院名と診療科はわかりやすく表示することがポイントです。
診療科がわからなければ、どんな人に来院して欲しいのかが全くわからなくなってしまいます。
また医院名が覚えやすいことも重要です。後から自院の名前を思い出してもらいやすくするためです。
あなたも街中でチラッと見た看板を、後からふと思い出して調べた経験があるでしょう。
わかりやすく耳に残りやすいクリニック名だと、後から思い出すことも可能ですが、難しい名前ですと思い出せず、違うクリニックへ流れてしまうこともしばしばです。
これは、人間の購買の心理行動プロセス、「APSCEAS(アプシーズ)」をうまく活用するための戦略です。
APSCEAS(アプシーズ)・・・購買行動のプロセスステップ
- Attention (認知) :患者さんが看板などによりクリニックを知る
- Perceive(知覚) :患者さんが不調や疾病を自覚する
- Search(検索) :患者さんが疾病やクリニックの情報を収集する
- Comparison(比較) :診療を受けるクリニックを比較する
- Examination(検討):詳細に検討する
- Action(購買/来院) :判断に基づいて受診する
- Share(共有) :口コミなどで感想を共有する
上記の様に人はまずサービスを認知し、そのサービスが自身の身に必要と感じた時、そのサービスを思い出し、情報を集めます。
この時に、自院の名前が潜在患者さんの頭に残っていなければ検索のしようがありません。
統一したロゴマークを入れる
自院のロゴマークを作成し、看板や建物など、あらゆるところに統一して表記しましょう。
ロゴは単なる文字ではなく、視覚的情報として人の記憶に留めることができます。
そのため見た人の印象に残りやすくなるのです。
さらにそれをあらゆる看板、建物に表記することで人の目に触れる機会を増やし、認知性向上につなげます。
色による統一性
看板の色味は統一させると、見た人の印象に残りやすくなります。
色もロゴと同じく、視覚的な情報となるため、患者さんに覚えてもらうために統一しましょう。
ただし看板は視認性が命ですから、奇抜な色やデザインにすれば良いというわけではありません。
また、色は見る人の感情を掻き立てるものでもあります。
自分の医院にはどんな色が合うのか、自らの医院の経営理念を明確にして、看板のテーマカラーを決定してください。
自院の強みを押し出す
自院の強みをわかりやすく押し出すことも有効です。
スマホ予約で待ち時間なし!
などのアピールは患者さんにとって印象的な文言です。
逆にアピールポイントだとしても、下記の様な抽象的な表現だと、患者さんに響かないので注意してください。
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また、アピールポイントはいくつも書けば良いというものではありません。
いくつも書くと視認性が悪くなって、結局1つも読まれない、という最悪の結果もあり得ます。
たくさん伝えたいことはあると思いますが、1点のみに絞って、確実に患者さんにアピールしましょう。
看板広告の運用方法
看板作成にあたって重要なのは、効果測定を定期的に行うことです。
多くの医院に見られるのが、「看板を出して終わり」となっているケースで、この状態では改善が何も望めません。
もしかしたら看板による効果は何も出ていないのに設置し続けて、広告費が経営を圧迫している。。。
こんなケースもしばしば見られます。
大事なのは、効果の予測を立てて検証し、常に改善を繰り返すことです。
看板による費用対効果の検証
看板を制作する際は、必ず効果の検証をしましょう。特に費用のかかる大型の看板や繁華街への設置をする場合です。
効果の検証方法は色々ありますが、次の2通りの方法が簡単にできておすすめです。
- 初診の問診票に、「当院をどの様に知ったか?」といった内容の質問欄を作る
- グーグルアナリティクスで看板のORコードからの流入数を調べる
1点目は説明不要かと思いますが、2点目が非常に重要です。
実はグーグルアナリティクスを使えば、自院のホームページにユーザーがどの様にして訪れたか、ということを一瞬で導き出すことができます。
看板のQRコードをそれぞれ別に割り当てれば、どの看板からどれだけの流入数があったのかを簡単に割り出すことができます。
こうすれば、効果のある看板は残しつつ、効果の薄い看板は撤去、また浮いたお金で別の場所へ設置。。。。
といった具合に看板の効果を最適化することが可能です。
グーグルアナリティクスやQRコードの設定方法は以下の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。
>>GoogleアナリティクスでQRコードの効果測定をしよう!
広告を出す前に効果予測をする
広告を出す前に効果予測をすることも大切です。
一般に看板広告を出す際には、コンサルタントに相談し、奨励された場所に設置することになるでしょう。
この際、コンサルタントに次の様な曖昧な理由でおすすめされただけで設置を決定しないでください。
人通りが多いから集患が期待できます!
高齢者の住宅が多いからあなたの診療科に向いています!
コンサルタントにはきちんと数字で、どのくらいのボリュームの認知が望めるのかを確認しましょう。
予測がないと、いくら検証をしても改善の糸口が掴めません。
コンサルタントの目的はコンサル料金をもらうことが目的であるため、コンサルを行った後の肝心の結果については素知らぬ顔という業者もあり得ます。
この様な無責任なコンサルタントをふるいにかける意味でも、きちんと数字で根拠を求める様にしましょう。
その際「こちらも効果検証を自分で行えますよ」という姿勢を見せることで、コンサルタントに甘い効果予測のデータを出させない様に牽制することもできます。
まとめ
本記事では、医院の集患戦略における効果的な看板の作成ポイントと運営方法についてご説明しました。
・看板は自院のホームページの入り口としての機能を高める
・看板は設置前の効果予測と設置後の効果検証を必ず実施する
以上です。
当ホームページでは、開業医の集患・増患戦略を多数ご紹介しています。
看板以外の戦略についても参考にしていただけますと幸いです。