- 紙面広告で患者さんをさらに呼び込みたい
- 雑誌や新聞・地域パンフなど媒体が多くて、どれに出したら良いか分からない
- 開業医におすすめの紙面広告を教えて!
紙面広告も、医療機関の集患・増患には有効な手段の1つです。
紙から自然と目に飛び込んでくる紙面広告は、検索でヒットしなければ見られることのない、オンライン広告とは違った形でクリニックの情報を拡散してくれるからです。
本記事では、効果的な紙面広告の選び方や、広告作成のポイントをご紹介します。
この記事を読めば、コスパの高い紙面広告のジャンルと、効果的な広告の作り方がわかります。
はじめに:紙面広告は地域紙に集中すべし
紙面広告の中にも多種多様な選択肢があり、どれを選べば良いか、迷ってしまうと思います。
一般的な紙面広告
- 新聞
- 雑誌
- チラシ
- タウンページ
- 折り込み広告
その理由について、これから詳しく説明していきましょう。
紙面広告を地域紙に集中させる3つの理由
紙面広告を地域紙に集中すべき理由は、主に以下の3つです。
- 広告費が安価かつ効果が高い
- 地域からの好感度が上がる
- 大々的な広告は儲けの証と見られる可能性
それでは順番に解説していきます。
広告費が安価かつ効果が高い
1点目に、コスパが高い点です。
地域紙は全国新聞や雑誌に比べ、広告料を安く抑えられます。
また、一般的な医院の診療圏内となる半径10km程度の地域住民の方に絞った情報拡散となるため、効率が良いです。
反対に新聞や雑誌は地域紙に比べ圧倒的に広範囲に情報発信できます。
しかし、距離の問題から認知度は上がっても来院いただけない、というある種の「ムダ」が発生してしまいます。
地域からの好感度が上がる
広告には出資の意味合いもあり、地域イベントなどに出資をすると、地域からの好感度が上がります。
イベントのパンフレットなどでクリニックをPRしながら、社会貢献も出来る、一石二鳥の宣伝手法です。
特にお子さんのイベントなどは、パンフレットをご両親がしっかりと目を通すでしょう。
記念に保存して、後から何度か見直すことも期待できます。
保護者の方がパンフレットを見返すたびに広告が相手の記憶に刻まれるので、非常に効果的です。
大々的な広告は儲けの証と見られる可能性
雑誌や大手メディアによる広告は、儲けの証拠とみられる可能性があります。
有名雑誌や全国紙、TV等の巨大メディアに広告を載せるには莫大な広告費が必要なことは、誰もが知っていることでしょう。
あまりに大きなメディアに広告を載せることは
「あの医院は儲けている」
と思われることもあるかもしれません。
成功者を妬む人もいるかもしれません。
などと勝手に勘違いされ、クリニックの好感度を下げてしまうこともあります。
当院で継続実施のオフライン広告3選
地域への紙面広告がおすすめ、と説明したところで、具体的に当院が実際に出稿している代表的な3つを紹介します。
開業して16年間、私が様々な紙面広告を運用した上で、特に効果の高い3種類です。
きっとあなたのクリニックでも効果を発揮するはずです。
地域イベントの協賛広告
1つ目は、地域イベントの協賛広告です。
市内外のサッカー、野球、バスケ、吹奏楽、オーケストラ、地元の祭り等へのイベントに出資するものです。
協賛広告のメリット
協賛広告のメリットは、地域の住民からの好感度アップに繋がる点です。
協賛広告はイベント費用の出資者となるわけですので、地域に感謝されながら宣伝効果も期待できる、一石二鳥の手法です。
私の気持ちの中では、クリニックの宣伝というよりむしろ地域貢献の意味合いの方が大きいのが実のところです。
という気持ちが、結果として地域の方の目に留まり、クリニックも豊かになっていくのでしょう。
協賛広告の費用
5000円/件〜
枠の大きさによって変動しますが、パンフレットなどの一番小さい枠で5000円から、誌面一面だと2万5000円程度からが相場になります。
協賛広告作成のポイント
広告サイズについて
広告サイズはあまり大きいものではなく、名刺くらいのサイズが経済的におすすめです。
協賛広告は様々な団体から依頼があり、多くは毎年のお付き合いとなるため、あまり高額なサイズの広告でない方が継続しやすいです。
スポーツ少年団などの子どもが関係するイベントは毎年新たなお子さんが入ってきます。
大きな広告枠を1度出すよりも、小さい枠でも継続して毎年広告を出す方が効果が高いです。
デザインについて
名刺サイズの限られたスペースになるので、最も伝えたいことを簡潔に、わかりやすいレイアウトで記載します。
- クリニックの名前
- 診療科
- 場所
- HPへの誘導
- 「最も伝えたいこと」
上記5項目をスッキリ読めるよう配置します。
協賛広告出資の判断基準
協賛広告を募集しているイベントは多岐に渡りますので、イベントごとに出資するorしないの判断が必要となります。
しかし基本的に近しい人からオファーがあった場合はできる限り引き受けると良いでしょう。
地域の皆様との関係構築は非常に大切ですし、地域に根ざす一事業主として、地域貢献でその地域を元気にしていく必要があるからです。
私のクリニックでも、患者さんや、プライベートの趣味のつながり、家族や友人のつながりから協賛広告の依頼をいくつもいただきますが、ほとんど引き受けています。
出資によって地域のみなさんから信頼を得ることは、広告費とは比べられないほど大きな価値を持つからです。
医療マップ
2つ目に、地域の医療マップです。
市区町村の一枚地図に、すべての医療機関が記載されているマップで、市役所などで無料で配られているものです。
掲載自体は無料ですが、追加料金を払うことでマップ上にバナー広告を入れてもらうことができます。
医療マップがない地域もありますので、あなたの地域に医療マップがあるかないか、まずは調べてみてください。
ちなみに私たちの医院がある島田市のように、市単独の医療マップではなく、近隣の市を一括した医療マップとなっている地域もあります。
医療マップ広告のメリット
医療マップのメリットは、医療を求める住民の方にダイレクトにPRできる点です。
雑誌広告などは、雑誌の中身を目的に読んでいる読者に対し、クリニックの存在を目に入れてもらうように広告を入れるものですが、医療マップを見る人は医療サービスを探している人に対し情報を届けるものです。
どちらがより集患に直結するかは言うまでもないでしょう。
また医療マップは公的機関、教育機関、各種団体、一般住民の方に配布し、その地域に新しく引っ越してきた方々が、役所手続きをする時にも配布されます。
住民の入れかわりに対して役所が私たちの代わりに宣伝をしてくれるようなものですので、非常にコスパが高い広告と言えます。
医療マップ広告作成のポイント
医療マップの広告は、すっきりとしたデザインかつ、目立つようにすることがポイントです。
医療マップにはかなりの情報が詰め込まれているからです。
大量の情報の中でクリニックを見つけてもらえるよう、スッキリとしたデザインにすることを意識してください。
地域電話帳
3つ目は、市町村単位よりさらに範囲を限定した地区単位の企業・個人の電話帳です。
特に高齢者が多い地域で作られておりネットよりも電話をメインに使う、という高齢者のニーズに対応しています。
協賛広告や医療マップに比べて優先順位は下がりますが、あなたの開業地が高齢者の多い地域で、予算に余裕がある場合は広告を出稿すると良いでしょう。
最近ではご高齢の方でもインターネットを利用されている方の割合が増えています。
私たちのクリニックでも、将来的には電話帳広告の掲載は取り下げるかもしれません。
地域電話帳広告のメリット
地域電話帳のメリットは、クリニックの診療科のターゲットがネットを使わない年代層がメインの場合に非常に有効です。
クリニック経営で欠かせないのはやはり、開業地域の住民からの集患です。一番身近な存在の住民に来ていただかなければ経営は成り立ちません。
そんな大切な近隣住民がインターネットを全く使わない世代であれば、電話帳を利用しないのは大きな機会損失となってしまいます。
※高齢者がメインの住民になっている地域の場合についてのメリットを上述しましたが、これから開業を検討中の方は、そもそも開業地の選定として、クリニックがターゲットとしようとする年代がその地域にどれだけいるか、必ず調べて下さい。
開業地選定のポイントについてはこちらの記事を参考にしてください。
>>医院・クリニック開業のステップ②開業地選定の方法と重要なポイント
地域電話帳広告作成のポイント
地域電話帳への広告は、ご高齢の方に情報が届きやすいことを重点に考えましょう。
下記を意識して簡潔にデザインして下さい。
- 文字を大きく、わかりやすく
- 場所の表記は、その地域の目印になるものに関連して紹介(例:アピタ西400mなど)
当院では広告打ち切り:タウンページの広告
紙面広告と言えば、真っ先に思い浮かぶものがタウンページ、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は私たちは以前、広告出稿していたのですが数年前から打ち切ることにしました。
タウンページ打ち切り理由
タウンページ広告を打ち切った理由は、単純に効果が見えなかったためです。
インターネットが浸透する中、タウンページ経由の来院患者さんは年々減り続け、2019年についに1%となってしまいました。(問診票を通じて来院経由を質問した結果)
また、タウンページの広告収入も年々減少の一途を辿っており、発行部数も減少しているからです。
過去の採用理由
私たちがタウンページへ広告出稿していたのは、私たちの開業当時にはタウンページへの医療広告の掲載は一般的なものだったためです。
もしかしたら今でも、「タウンページへの広告出稿は当たり前」というような感覚で勧めてくるコンサル業者もいるかもしれません。
従来の「常識」を鵜呑みにせず、世の中の動きを考えて、臨機応変に対応しましょう。
雑誌の広告勧誘は要注意
開業すると、全国販売の健康雑誌の取材や、同雑誌への有料広告のお誘いが来ることがあります。
この場合、無料であっても安易に引き受けない方が賢明です。私どもも全て断っています。
理由は費用が高く、コスパが悪いからです。
一度目は無料かもしれませんが、継続掲載するには多額の料金を請求されるケースが多いです。
過去には以下ような暴露ブログも流出しています。
>>注意!!名医のいる病院情報⋯お金を払って掲載している可能性もあるよ!!
全国的に医院の名前を売ることで集患の意味は一部あるかもしれませんが、それよりも地域の方々との交流を深められる、地域紙の方がコストの面でも効果の面でも良いと思います。
まとめ
本記事では、効果的な紙面広告の選び方と、広告作成のポイントをご紹介しました。
- 紙面広告は地域紙に集中すべし
- 協賛広告は、宣伝と地域貢献で一石二鳥
- 高齢者の多い地域は地域電話帳、子育て世代には医療マップでPRしましょう