あなたは自院のスタッフがすぐ辞めてしまうことにお悩みではないでしょうか。
スタッフがすぐ辞めてしまう原因の1つに、『職場と応募者のミスマッチ』があります。
あなたのクリニックが以下のどれか1つにでも当てはまれば、採用のミスマッチが生じている場合があります。
- スタッフが入社3ヶ月以内で辞めてしまう
- スタッフの退職理由の多数が「イメージした職場・職務内容と違う」
- 求人募集にアピール事項ばかり書いている
本記事では、そんな「採用ミスマッチ」を起こさないための対策3選をご紹介します。
この記事を読むことで、長期で安定して働いてくれるスタッフを集める方法がわかり、スタッフ不足に悩む日々から脱出できます。
採用ミスマッチとは
まずはじめに「採用ミスマッチ」とはどんなものでしょうか。
ミスマッチ(mismatch)という言葉は、「釣り合わないこと」を指します。
つまり「採用ミスマッチ」は、会社がスタッフに求めていることと、スタッフが会社に求めていることにギャップがある状態を指します。
例えば
- 会社が求めるスキルより、新人スタッフのスキルが劣っていた。。。
- 新人スタッフがイメージしていた職場環境より、現実は大きく劣悪だった。。。
- 新人スタッフが他のスタッフと全くなじめず、衝突してしまう。。。
採用ミスマッチは、スタッフのモチベーション低下を招き、最悪の場合は離職に至ります。
スタッフ不足の大半はミスマッチが原因!?
スタッフ不足で悩んでいる職場は、ミスマッチが頻繁に発生しているケースが多いです。
下の画像を見てみましょう。これは新卒社員の早期退職理由の集めたデータですが、退職理由がミスマッチに起因していることが読み取れます。
引用:転職HACKs
1位の「理想とのギャップ」をはじめ、
- 労働時間・休日・休暇の条件
- ノルマや責任
- 賃金条件
- 自分の能力が活かせない
など、入社前のイメージと現実とのギャップが原因の「採用ミスマッチ」が退職原因の大半を占めています。
ミスマッチによる損失額は??
新入社員が入社3ヶ月以内に退職してしまった場合、一般的な会社側の損失額は約188万円とも言われています。
クリニックは少数精鋭組織なので、採用や人事にかかる費用はもう少し安くなります。
それでも100万円以上の損失となると見て良いでしょう。
ミスマッチが多発している職場の特徴
続いて、ミスマッチが原因でスタッフ不足になっている職場の特徴を紹介します。
あなたのクリニックはどうでしょうか?
もしあなたの職場が以下に該当するようなら、ミスマッチが起きている可能性が高いです。
- スタッフが入社1年以内で辞めてしまう
- 求人募集にアピール事項ばかり書いている
- 労働条件が明記されていない
スタッフが入社1年以内で辞めてしまう
スタッフが抱いていたイメージと現実に大きなギャップがあり、新人スタッフが早々にクリニックに見切りをつけるケースです。
通常であれば退職には相当の覚悟が必要ですので、スタッフ選考の段階で大きな問題が潜んでいる可能性があります。
求人募集にアピール事項ばかり書いている
求人募集のアピール文句に誘われてきた新人スタッフが、現実の暗い部分を見て失望してしまうケースです。
素敵な職場に期待を膨らませて職場にやってきた新人スタッフが、求人内容とかけ離れた職場を目の当たりにしたら、大きなショックを受けてしまうでしょう。
労働条件が明記されていない
採用時にクリニック側から労働条件を明確に提示しなかったことで、新人スタッフのイメージと実態が大きく異なってしまうケースです。
労働条件とは給料の面だけでなく、
- 休日数
- 平均残業時間
- 福利厚生
- 有給消化率
など細部まで明示することが大切です。
ミスマッチは手厚いフォローで解消されない
もし「自分がやりたい仕事ではなかった」などのように大きなミスマッチがある場合はどれだけフォローしても、離職は防げないと私は考えます。
本人の希望は本人にしか変えられませんし、クリニックも業務内容を変えられないからです。
一般的にはスタッフの定着として
- 定期的な面談
- クリアな評価制度
などが有効とされていますが、これはミスマッチを考慮していないのではないかと私は考えます。
スタッフ定着の対策としては、採用後のフォロー体制を作るより、まずは選考の段階でミスマッチを防げる仕組みを作ることが何よりも大切だと言えるでしょう。
ミスマッチ対策→入社後のフォロー
です!
ミスマッチ対策3選
ここまでミスマッチ対策の重要性についてご説明してきました。
では、ミスマッチを起こさないためにはどんな対策がが必要なのでしょうか。
その対策とは、次の3つです。
-
求人募集に甘い文句ばかり書かない
-
採用面接では厳しい現実も打ち明ける
-
適正テストの導入
順番に解説します。
求人募集に甘い文句ばかり書かない
第1に、求人広告に誘い水となるような、甘い文句ばかり書かないことです。
・年に一度の海外研修旅行!
などと自院の良い部分ばかり載せていては、甘い部分がこのクリニックの全てだと応募者は考えてしまいます。
クリニックスタッフは医療従事者ですから、責任感や使命感が無い人は続けることが困難です。
求人の甘い文句につられてきた人の中から選考をするのではなく、予め医療従事者として責任感のある方が興味を持つ求人内容にしましょう。
福利厚生や海外研修など、労働環境の向上に力を入れるな、というわけではありません。むしろ積極的に改善・向上させていくべきです。
ただ、求人募集での過度なアピールは控えましょう、ということです。
採用面接では厳しい現実も打ち明ける
採用面接の際に厳しい現実も打ち明け、それでもなお就職を希望するか、強い意思を問うことも大切です。
院長や事務長から面と向かって言われることは印象に残りやすく、採用者も覚悟を決めて就職してくれるからです。
また面接の場でクリニック側が正直にネガティブな面を打ち明けることで、応募者がこちらを信頼してくれるというメリットもあります。
適正テストの導入
最後に適正テストの導入をお勧めします。
適正テストにより、応募者が自院のスタッフとして働くのに適した性格であるか、正確に見極めるためです。
面接では応募者は建前で話すため、本音の部分を知ることが困難だからです。
面接である程度厳しいことを言われて、
と一瞬思ったとしても、
と素直に言葉にできる応募者はごくわずかです。
このため、応募者が自身のクリニックでの業務や職場環境になじめる性格かどうか、適正テストで確かめる必要があります。
ミスマッチ対策のデメリット
ミスマッチ対策のデメリットは、応募者が減ることです。さらに、採用を辞退する人も増えるかもしれません。
今までよりネガティブな面を応募者に伝えるので、当然の影響でしょう。
しかしこれは、選考の段階でミスマッチとなる人材を未然に防げた証拠でもあります。
クリニックは長期定着する人材がいれば、大量のスタッフは必要ありません。
応募者の質を高め、少数精鋭の人材を採用するだけで良いのです。
まとめ
本記事では、すぐに辞めないスタッフの見つけかたとして「採用ミスマッチ」を防ぐポイント3点をご紹介しました。
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求人募集に甘い文句ばかり書かない
-
採用面接では厳しい現実も打ち明ける
-
適正テストの導入
ミスマッチ対策の基本は、クリニックのありのままを応募者に肌で感じてもらうことです。
良いことばかりを文面で取り繕っても、現実に失望され早期退職者が生まれます。
とは言え、できるかぎり良い労働環境をスタッフに用意するのが私たち経営者の役目です。
本サイトではクリニック経営に役立つ情報を多数紹介していますので、参考にして頂けたら幸いです。