- SNSマーケティングで患者さんを増やしたい!
- でもSNSって沢山あってどれを使ったら良いかわからない・・・
- 医療機関での集患に効果的なSNSと運用方法を知りたい!
SNSマーケティングは、近年の医療機関にとって非常に大切なものですが、どんなSNSをどのように運用すればいいのかわからない、という質問をよく受けます。
SNSはそれぞれに特性があり、その特性を見極めて使用することで効果的な運営ができるようになります。
そこで本記事では、各SNSの特徴と私の実際の活用方法をご説明します。。
この記事を読むことで、どんなSNSを自院に導入すべきか、どんな運用方法をすべきかが分かります。
作者プロフィール:鈴木恵子
夫のクリニック開業を機に、知識ゼロのまま事務長に就任。以来、17年間クリニック経営を第一線で担っています。
一般経営学をオンラインスクールで学びながら、医療業界に合わせた独自の経営手法を確立し、年間2万3千人以上の患者さんを受け入れる人気クリニックに成長させました。
また、新卒社員の離職率は過去3年ゼロ、育児休暇後の復帰率も100%であり、患者さんにもスタッフにも愛されるクリニック経営を実践しています。
はじめに:SNSの活用目的を明確にする
SNSを運用するにあたってまず大切なのが、活用の目的を明確にすることです。
と思う方もいらっしゃると思いますが、そこからさらに具体的に考えてみましょう。
「集患」をさらに細分化する
SNSを集患に活用する、と言ってもその目的は実は様々です。
例えば。。。
- 新規患者さんを獲得
- 既存患者さんをリピーターにする
- 良い人材を集めて口コミアップ
- フォロワーを増やして知名度アップ
上に挙げた例は、全て集患・増患に繋がるものですが、投稿する内容は全く異なってくるはずです。
このようにSNSを入り口に、どのように集患につなげたいのかを明確にする必要があります。
この目的・筋書きが明確になっていないと、どのような投稿をしていいのか定まりません。
そして、そんなアカウントを患者さんが熱心に見てくれるはずもありません。
あなたにはこの点を強く意識してSNS活用をしていただきたいのです。
おすすめの筋書きは既存患者のリピーター化
クリニックがSNSを活用する場合のおすすめの使い方は、既存患者さんにリピーターになってもらうために使用することです。
SNS活用を既存患者さんとの関係構築に活用してリピーターになってもらい、経営を安定させるという筋書きです。
SNSを既存患者さんの関係構築にすべき理由
SNSを既存患者さんにリピーターになってもらうために活用すべきと上述しました。
その理由を4つご紹介します。
<SNSをリピーター戦略に使う理由>
- SNSは双方向のコミュニケーションが行える
- ゆるい繋がりで患者さんとの接点を保てる
- SNSは情報の速達性に強みがある
- 新規獲得はブログの方が効果的
SNSは双方向のコミュニケーションが行える
1つめに、SNSは患者さんとの双方向のコミュニケーションが行えるため、より密接に患者さんとつながるれることです。
地域誌や新聞の広告では、こちらが一方的に情報を伝えるものになってしまいますが、SNSではコメントやダイレクトメッセージを使うことで、患者さんと双方向でのやりとりが可能となります。
双方向のコミュニケーションを繰り返すことで、患者さんとの関係性を強化し、リピーターになってもらえる可能性を高められます。
ゆるいつながりで患者さんとの接点を保てる
2つめに、SNSというゆるいつながりの中で患者さんとの接点を保てる点です。
ボタン1つで簡単にフォロー、アンフォローが行えるSNSのつながりは最初はとてもゆるいものになります。
そのゆるさゆえ、少しでも気になった情報やお得な特典があれば気軽にフォローするように、フォローへのハードルは高くありません。
逆にいつでもフォロー解除されるという懸念もありますが、意外にその確率は高くありません。
忙しい現代人にとって、SNSの友人整理などの緊急性も重要度もさほど高くない行為は後回しにされがちだからです。
一度フォローされると、その状態がいつしか患者さんにとって当たり前の状態になり、患者さんとの接点を常に保てる状態となります。
SNSは情報の速達性に強みがある
3つめに、SNSは情報の速達性に強みがある点です。
緊急の連絡などは、LINEに代表されるチャット方式のSNSを利用すれば、瞬時に友達全員に情報を共有できます。
LINEは通知をONにしているユーザーが多いので、すぐにメッセージをみてもらえる可能性も高いです。
またTwitterはリアルタイムの情報を取得するツールとして浸透しています。
Twitterは利用者の数が多く、ユーザーの投稿の頻度も高いことから交通情報や電車の遅延情報などが集中し、公式のサイトよりも情報を早く取得できることが多々あります。
情報に速達性があることは、臨時で休診日が発生してしまった際の連絡や期限のあるキャンペーン情報などを発信するのに適しています。
新規患者さんの獲得はブログの方が効果的
4つめに、新規患者さんの獲得を狙うのであれば、ブログの方が効果的である点です。
SNSは拡散力がブログに比べて強いという点から、ビジネスの界隈では新規顧客獲得に活用すべきとの意見をよく耳にしますが、これは医療機関には当たりません。
クリニックにおける新規患者さんの獲得には、SNSよりブログが効果的です。
その理由は、主に以下の2つです。
- SNSではローカル検索が使えない
- 緊迫した状態ではSNSは利用されない
この点につきましては、ブログ集患の記事で詳しく説明しておりますので、参考にしてください。
主要SNSとその特徴
こんな質問もよく聞かれますが、最適なSNSはその病院の診療スタイル、ターゲット顧客層などによって様々です。
主要なSNSとその特徴をご紹介しますので、ご自身のクリニックにとって相性が良いものをご自身で考え決定して下さい。
主要SNSのユーザー層
まず日本における主要SNSのユーザー数、年齢層を比較したデータを下の画像に示します。
ご自身の施設、診療科がどの層をターゲットにしているかを考え、使用するSNSを決めると良いでしょう。
Facebook(フェイスブック)
他のSNSと比べ、利用年齢層が高く、主にビジネスパーソンに使われています。
また、Facebookページという機能でホームページのように情報を集約したページを開設できるのが特徴です。
テキストや写真、動画投稿は当たり前として、外部サイトのリンクシェアやイベントページの作成が簡単にできるのが利点です。
また、広告を打つ際、ターゲティングを細かく設定できるのがFacebookの強みです。
本名、生年月日、性別、また多くの利用者が居住地や学歴などの個人情報を登録しているため、広告を狙った人物像のみに表示させることが可能です。
Twitter(ツイッター)
Twitterの特徴は、ニュースや話題が頻繁に広く共有される点です。
“トレンド”機能という、Twitter内で話題急上昇中の事柄を紹介する機能があり、流行り廃りに敏感な若年層に支持されています。
またリツイート(RT)という他人の投稿を自分のページに投稿するという機能が活発に利用されており、話題になった際には情報の拡散性は他のSNSより群を抜いて高いと言えます。
Instagram(インスタグラム)
Instagramの特徴は、写真や動画をメインに扱うSNSであることです。
近年はただ綺麗な写真を投稿するだけでなく、文字を挿入していろいろなことを説明、解説する「ミニブログ」と言われる投稿が人気を博しています。
画像や図解を駆使して医療関係の情報を紹介する場合は、ユーザーの支持を得られやすいでしょう。
ただ、投稿に他サイトのリンクを貼れないことが最大のネックです。
LINE(ライン)
ユーザー数はダントツ、ユーザー層も全世代にわたり、日本のスマホには全てにこのアプリが入っていると言っても過言ではないくらいのSNSです。
官公庁などもラインの公式アカウントを作成するなどして、日本のインフラともなりつつあるため、先に公式アカウントとして運用するのが良いでしょう。
当院の活用実例
自院に適したSNSはご自身で考えるしかないとはお伝えしたものの、正直それだけではどうしたら良いかわからない、という方が大半だと思います。
そこで私たちが実際に使っているSNSと、その具体的活用方法をご紹介します。
私のクリニックではFacebookを使って医療情報を提供、当クリニックの信頼性の向上による患者さんのファン化と
LINEを使ってリマインダー通知や緊急連絡など、患者さんの利便性向上によるリピーター化を図っています。
フェイスブック
- 使用目的:医療情報の提供による患者さんのファン化
- 使用理由:フォーマルな位置付けのSNS,適度な距離感を保てる
- 投稿内容:有用な医療情報の提供、季節性の記事、よくある質問に対する回答記事、クリニックのイベント
ライン
- 使用目的:リマインダーやお知らせ等の連絡による患者さんのリピーター化
- 使用理由:ユーザーの使用頻度が高い
- 投稿内容:緊急時の連絡
フェイスブックは、医療情報の提供による患者さんのファン化を意図して運用しています。
フェイスブックは実名での登録になるなど、他のSNSより比較的フォーマルな特性のあるSNSで、医療情報を提供するのに適しています。
また投稿の文字数に制限がなくリンクも張れるなど、他のSNSでは使えない機能が含まれており、質の高い投稿を作成可能な点も細かな解説が必要な医療情報と相性がよいです。
ただ、見出しをつけたり画像を好きなところに挿入したりすることができるブログの方がより詳細に説明するには適しているため、Facebookに概要とリンクを貼る形でブログへの誘導ツールとしても活用しています。
特に季節性のある病気に関するブログ記事は、タイムリーな時期にFacebookで紹介すると、フォロワーさんの反応がとても良いです。
季節性のあるブログ記事をあらかじめ用意しておき、病気が流行る季節になったらSNSで紹介すると、フォロワーに喜ばれるアカウントに育てられます。
LINE
LINEは緊急連絡やリマインダー等の連絡による患者さんのリピーター化を狙って運用しています。
LINEは1対1のチャット形式であり、通知機能も備わっているため、患者さんに確実に情報を届けることができます。
緊急事態の際に、患者さんへの不利益を最低限に抑えるためにもラインでの連絡が最も効果的です。
当院では採用していませんが、LINEは定期検診のリマインダーとしても活用できます。
3ヶ月検診など、患者さんが次の検診時期を忘れてしまう場合がありますので、その際に連絡するといいでしょう。
このようにして、患者さんにリピーターになっていただくこともできます。
まとめ
本記事では、開業医のSNS活用についてご紹介しました。
- SNSは既存患者さんのリピーター化に有効
- 主要SNSの特徴を理解し、自院のターゲット年代に合うサービスを選ぶ
- 基本的な考えは、フォロワーさんへ価値のある情報を届けること
以上です。SNSを活用し、集患・増患につなげていきましょう。