現在、事務長の採用を考えている方の中には、上記のような悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
事務長は責任ある役職。それなりの給与を支払うべきとわかっていても、具体的にいくら支払えばいいのか検討がつきにくいですよね。
求人情報サイトやクリニックに関するウェブサイトによると、事務長の年収相場は500〜1000万円。金額は役割や責任の範囲、組織の規模等で複合的に決められます。
そこでこの記事では、現役事務長である私が事務長の年収の決め方をご紹介。合わせて採用手順や採用のコツ・よくある失敗例なども記載しました。
この記事を読めばスムーズに事務長採用が進むはず。
現在事務長の採用を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
事務長の役割とは
まずは、事務長の役割をご紹介します。
事務長の役割は、大きく分けて以下の6つです。
- 院長の【補佐役】
- 院長の【代理役】
- 院長の【理解者】【支持者】
- クリニック全体の【管理者】【統括者】
- 院長とスタッフ・患者・業者との【仲介役】【調整役】
- クリニック発展のための【牽引役】【開拓者】
事務長は院長の右腕となり、経営を担います。
さらには、現場で働くスタッフ・業者・患者さんたちとの仲介役となり、クリニックを発展へと導く重要なポジション。
そのため事務長には、経営に関する知識やスタッフをまとめるマネジメント力が求められます。
クリニックにおける事務長の仕事内容とは?求められる役割を現役事務長が解説!
事務長に向いているのはこんな人
事務長には以下のスキルが求められます。
- マーケティングの知識
- 人事マネジメントの経験
- バイタリティがある
- 誠実な人柄
- 経営に対して当事者意識を持てる
すべてのスキルを持ち合わせた人を探すのは難しいかもしれませんが、事務長としての役割をこなしてもらうには、上記のスキルをできるだけ多く持ち合わせている人を採用しましょう。
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事務長の年収・給与の相場は?
求人情報サイトやクリニックに関するウェブサイトによると、事務長の年収相場は500〜1000万円。クリニックの規模や経営状況によって幅があるようです。
また、給与の決め方は、
- メインバンクや税理士に相談する
- 損益分岐点から算出する
- スタッフたちの給与とのバランスを考えて決定する
など、さまざま。キャリアを考慮して給与をアップする場合もあります。
ご自身のクリニックの状況に合わせて決定しましょう。
事務長の採用手順
事務長の採用は以下の手順で進めましょう。
- 採用計画を立てる
- 採用フローを作成
- 採用活動を開始
まずは「採用計画」を立てます。採用計画とは、どのような人材をいつまでに採用するか計画を立てること。
一般的な採用計画は以下の手順でおこないます。
- 採用の目標、目的を明確にする
- 求めるターゲット像を明確にする
- ターゲットに共感してもらえるようなコンセプトやメッセージを作成
- 選考〜採用までのプロセスを設計
採用計画を立てたら採用フローを作成し、採用活動を開始します。
一般的な採用フローは以下の通りです。
- 求人掲載
- 応募
- 書類選考
- 適正テスト
- 面接
- 内定
- 入社
クリニックの説明や筆記試験などもおこなう場合は、採用フローに組み込みましょう。
採用のコツ
採用の際は、以下5点のコツをおさえましょう。
- 採用の適任者を選定する
- 求人票の書き方を心得る
- 面接内容を整理しておく
- 事務長に必要なスキルを押さえる
- SNSやブログを運用する
では順番にご紹介します。
1.採用の適任者を選定する
採用担当者には、以下のような人が適任です。
- 正確な情報提供ができ、かつ応募者に良い印象を与えられる人
- 応募者がクリニックに適した人材かどうか見極められる人
採用担当者の人数は問いませんが、上記2点を満たせる人を揃えておくと良いでしょう。
2.求人票の書き方を心得る
求人票に記載する内容は、わかりやすく具体的に記載することが大切です。
たとえば、
- 仕事内容だけでなく、仕事量・頻度なども記載する
- 月給だけでなく、賞与や各種手当なども詳細に記載する
など、入職後の姿をイメージしやすいよう心がけましょう。
3.面接内容を整理しておく
面接は応募者を見極めるには特に重要。
- 質問内容
- 姿勢や頷きなどの動作
- 感情表現
など、見極めに必要なポイントを整理しておくとより精度の高い面接になります。
4.事務長に必要なスキルを押さえる
事前に面接内容を整理するためにも、事務長に必要なスキルを押さえておきましょう。
どんなスキルを持った人が事務長に適しているのか学んでおくことで、質問や見極めポイントを整理しやすくなります。
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5.SNSやブログを運用する
SNSやブログを運用しておくと「採用したい!」と思った人材を確保できる可能性が高まります。
SNSやブログなどからは、クリニックのリアルな雰囲気がわかるからです。
事務長採用でよくある失敗例
せっかく事務長を採用したのに残念な結果に終わったケースも。これからご紹介する失敗例を参考に対策を取りましょう。
スタッフの不満や愚痴に影響され、院長に反発
事務長は院長よりも、スタッフとコミュニケーションを取ることが多くなります。
そして、スタッフと適度な距離感を保てず仲よくなりすぎると、院長への不満や愚痴を聞くことが増え、スタッフの声に影響されて院長に反発することがあるのです。
横領、資金の使い込みが判明
事務長にクレジットカードや通帳などを預けた場合、横領が判明するケースがあります。
対策としては、
- 預金の管理は経理に任せる
- 1人で引き出せない仕組みを作る
- 定期的に出金履歴を確認する
などが有効です。
機密情報を管理できない
経営状況や給与関係などの機密情報を事務長がうっかりしゃべってしまい、トラブルを起こすことがあります。
特に、組織での仕事経験が少なく、処世術を学んでいない事務長に多いようです。
組織での仕事経験が豊富な人材を採用し、「重要な情報を扱っている」という意識を持たせることが大切です。
基礎的な仕事能力が低かった
事務長採用の失敗として最も多いのは、指示されないと動けない・何度も同じミスをするなど、いわゆる「仕事ができないひと」を採用してしまい、「業務が楽になるどころか負担が増えてしまった」というケース。
同様のケースに陥らないためには、面接での見極めが重要です。
事務長の採用で診療に集中しよう
この記事では事務長の年収についてご紹介しました。
事務長の年収相場は500〜1000万円と幅がありますが、以下の方法を参考にクリニックの規模や経営状況に応じて給与を決定しましょう。
- メインバンクや税理士に相談する
- 損益分岐点から算出する
- スタッフたちの給与とのバランスを考えて決定する
- キャリアを考慮して給与をアップする
事務長がいれば院長は診療に集中でき、事業成功へとつながるはず。事務長の採用効果は大きいです。
ただし、事務長に適した人材を見極めることが重要。事務長採用の際は、ご紹介した内容を参考にしてみてください。